悪人の独言
困っている人を助けようとは言うけれど
この世に困っていない人なんか誰1人いない
みんな生きるのに精一杯だから
助けてなんか言えなくて
1人で生きることが当たり前だと思っていた
この生き方しか知らなかった
結局この世は運なのだ
この理不尽な星の中で
幸せだと思えるかどうかは
運が良い奴か、悪い奴か
その二択でしかない
自分は運が悪かったのだ
何度も何度も光の射す方へ泳いでも
黒い波に攫われてしまう
いつしか泳ぐことも億劫になって
黒い波に身を委ねるだけとなった
幸せそうな彼奴らを見ると、真逆の自分が浮き彫りになる
惨めだ
ならばいっそこの波に引きづりこんでやろうか
引きづり込まれた奴が可哀想だって?
あぁ、そうかもな
ただ、まぁ、なんだ
運が悪かったと、そう思ってくれ