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比例代表の結果で見る2024年衆院選

・衆議院選挙、投票に行かれた皆様、お疲れさまでした。自分、不器用なんで一つだけ言わせてもらってもいいですか? 選挙、最高!!!政局、楽すぅぃ~~~!!!

・私はいま半分、お手伝いで選挙結果の資料をまとめています。(残り半分は趣味)かなりドラマティックな結果になった今回の選挙ですが、実情はどのようなものだったのでしょうか。

・「比例代表の投票結果」、という全国民の選択肢がそれなりに統一されたわかりやすいデータを用いて、箇条書きで考えてみようと思います。本来、選挙結果は様々なデータを用いて分析する必要がありますが、個人作業ですのでご容赦いただけると嬉しいです。ご笑覧いただけますと幸いです。

比例代表投票結果の分析

サマリ

  • 本来なら自民党へ投票する層の約15%(約300万票/約1800万票)が、棄権ないし自民以外への投票を行ったため、自民は大敗北を喫した。

  • 立憲民主党は、党としての信頼を大きく積み増したわけではない。

  • 国民民主党は維新を食っての大幅増と予想。次の選挙までにどれだけ存在感を示せるか。

  • 公明党、共産党といった組織力の強い政党の体力低下が顕著。一方、参政党、日本保守党など、特定の基盤を新たにつくった政党が伸張。中では、れいわ新選組が抜け出し、既存政党の不満の受け皿となりつつある印象。


各政党ごとの分析

自民党① 過去3回の自民党の比例得票数

・自民党①。これまで1700~2000万票を得ていた自民党が、いきなり1500万票を大きく割った結果に。強固な支持基盤を持つ自民党の比例代表での大苦戦の原因として、代表的なものは以下ふたつだろう。理由①、裏金問題に対する自浄能力の低さが明確に嫌われた。理由②、右派的な支持者が党内リベラル&反安倍の象徴であった石破を嫌った。これらの支持層は他党に流れたり、選挙自体に行かない、という選択肢をとったものと思われる。

自民党② 2024年と2009年衆院選、比例代表における簡易比較

・自民党②。麻生総裁のもとで戦い、民主党に大敗北を喫して政権交代が起こった2009年選挙との比較結果がこちら。このとき以来の大敗北となった自民党だが、奇しくも、「26.73%」という比例代表における得票率は同じ。票自体は400万票近く逃げている形になるが、この時は投票率が桁違いだった。熱気にあてられ、自民の伝統の支持層がかなり掘り起こされたが、風をみたうえで自民に投票する人々が逃げ、民主党に投票したのだろう。自民党が失政を重ねると30%以下の得票率になる、と言えるかもしれない。(それにしても、民主党の3000万票という数字、かなり追い風があったのだなぁ……)

公明党 組織票の弱体化が顕著に

・公明党。選挙戦において強固な支持母体を持つ同党は、過去700万票を割るか割らないかというラインでの得票結果が続いてきた。今回は600万票を割り、小選挙区では交代したばかりの石井代表も落選するなど打撃を受けた。組織の高齢化は指摘され続けており、600万票を維持するための施策を考える必要がありそう。

立憲民主党 躍進も、政党自体への信認は広がっているのか?

・立憲民主党。大勝利と報道されているが、比例における得票数は、過去2回の1100万票からほとんど変わらないのが非常に大きな問題。小選挙区での頑張りはあれど、それが政党イメージにつながっていないのではないだろうか。野田代表への交代も同様。こちらは、「枝野元代表を推すようなリベラル色の強い支持層」がれいわ等へ逃げた票と「自民などの”穏健保守層”」を取り込んだ票の流出が均衡にしているのではないかと予想。

国民民主党 政党への信認が非常に高まった形

・国民民主党。今回、明確に勝った政党はここだろう。比例得票数は600万票越え。「改革型保守野党」という看板は日本維新の会と同じだが、より洗練された都市型の政策集団としての打ちだしに成功している。前回、維新+国民で1050万票、今回、国民+維新で1120万票。ここから、自民党ではなく、野党第一党にも入れたくない……という層はだいたい1000万票近く存在していると推定できる。次回の選挙でどれだけ伸ばせるかが注目。都知事選の”石丸旋風”や、かつては「みんなの党」などもあり、ここは飽きられも早い。今後が勝負である。

維新 小選挙区では大阪全勝を誇るも比例では退潮が顕著

・日本維新の会。小選挙区では大阪全勝も他ではほとんど勝てず、比例代表の得票では、さらに全国的な支持を大きく失っている現実が露わになった。国民民主党とスタンスが重複しており、よりダーティーで近畿圏以外には親近感も薄いのではないか。前述したが、改革型野党の賞味期限は早い。

共産、社民、れいわ リベラル政党の現在地。れいわが共産党を逆転

・共産党、社民党、れいわ新選組。リベラル派のこれらの政党の立ち位置が地殻変動をしつつある。

・今回の裏金問題をすっぱ抜いた赤旗を持つ共産党の党勢の低下が著しい。公明党と同じく、組織の高齢化は指摘され続けていて、世代交代をうまく起こしていかないと社民党のような小政党になる可能性があるのではないか。内部のゴダゴダをやっている場合ではないのである。逆にれいわ新選組が150万票以上の大幅な積み増しを得た。立憲民主党が中道に移動し、共産党に対する信頼が落ちている中で、リベラル層の受け皿になったのではないか。

・参政党、日本保守党。300万票近い投票を獲得していることの分析をどこかでしてほしい。私はあまりここへの食指が動かないです。


そんな感じです!
これからの政局が楽しみでなりません。みんなこれからも政治の話に興味もっていこうね~~~!(私は政治の話を人とするのが大好きなので)

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