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耳掛けヘッドホンと私
私は耳の穴が小さい。
「小さくて何が困るんだ?」と思う人もいるかもしれない。
実際生活に大きな支障はないが、確実に困ることが一つだけ。
それは、イヤホンが入らないことだ。
(「いやヘッドホンがあるやんけ」というツッコミは少し置いて頂きたい)
イヤホンを初めて付けたのは、小学校に入ったときだった。
通信教材の特典か何かで、ゲーム教材にセットでイヤホンが送られてきた。
もちろん、私はつけたこともないので、見よう見まねでゲーム教材をするために、耳にはめてみる。
先に右耳から。
まず、感じたのは気持ち悪さだった。
自分の穴に異物をいれるという、到底信じられない行為。
ちょっと冷たくて、不可解なものを耳に突っ込む。
でも入った感じはしない。
「これで入ったのかな?」と思って、同じように左耳を付ける。
すると、右耳のイヤホンが抜けた。
「あれ?」と思い、右耳のイヤホンを付けなおすと、今度は左耳が抜けた。
完全にいたちごっこ。
入っても、無理やり押し込んでいるので、すぐにすっぽ抜けるのだった。
最初はイヤホンの付け方が悪いのかと思っていたが、何度も繰り返しイヤホンが抜けることで、いよいよ
「私はイヤホンが入らない人種なんだ」
と理解するようになった。
(それからイヤホンはしたことがなく、センター試験の英語のリスニングでヘッドホンの申請をしたことは地味に自慢である)
一度親に尋ねたところ、耳鼻科の先生にも耳の穴が小さいといわれていたという。
穴が小さいと見えづらく、耳掃除もかなり困難らしい。
たびたび穴に耳垢が詰まってしまい、耳鼻科でわざわざ耳掃除をしてもらうこともよくあった。
イヤホンが入らなくても、ヘッドホンがあるからいいと思っていたが、ヘッドホンは耳を圧迫するスタイルのため、どうも私には苦手だった。
そこで私を救ってくれたのは、耳掛けヘッドホンとよばれるものだ。
耳掛けヘッドホンは、中学高校、私とウォークマンと青春を共にしてくれた心強い存在だった。
イヤホンのような気持ち悪さもなく、ヘッドホンのように耳を圧迫するわけでもなく、私には唯一の登下校に寄り添ってくれる味方だった。
大学に入ってから、ウォークマンが壊れて、必然的に耳掛けヘッドホンを使わなくなった。
外で音楽を聴くことも減り、ずっと離れていたのだが、大学がオンライン授業になったことで、「あれあったほうがいいなぁ」と思い、ついに再び、耳掛けヘッドホンを招き入れた。
やっぱり好きである。
耳掛けヘッドホンは少しずつ少なくなっていて、今はイヤホンが発展し、ワイヤレスだのブルートゥース対応だの、かっこいいものがたくさんある。
どこに行っても基本イヤホンしか置いていない。
電気屋さんに行くと、かっこいいなーと思うけど、それはいつも憧れで終わっている。
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