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ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験して書いた詩
暗闇のなかで
わたしはすぐにあきらめてしまう
音や におい 手に触れるもの 足裏から伝わってくるものが
どんなに雄弁に私に世界を伝えてくれようとしても
わたしはだんだん眠たくなり
感覚の扉を閉ざしてしまう
見つからない百円玉は
私があきらめてしまったから
ノージーはあきらめない
だから百円玉は見つかった
暗闇の時間がおわったとき
光がまぶしくて まぶしくて
うれしくて、まぶしかった
私は圧倒された
目が見えるということに
でもそれはノージーにはわからないんだなとおもった
暗闇の縁日で釣ったヨーヨーは赤だとおもったのに黒だった
本当は目に見えても、見えなくても
世界はある
そのことをノージーは教えてくれた
浜松町の木に名前を知らない虫を見つけた
鳴かない虫だった
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