幸福について
こんにちは(^^)
さいきん椎名林檎さんの「ありあまる富」を聴いたり、ときには歌ったりして、自分に染みこませたいなぁと思っています。♪~何故なら 価値は生命(いのち)に従って付いている
お金で買える富もある程度は必要ですが、それよりも、自分のいのち・人生に深く関わってくる、目に見えないけど一番大切な富(財産)について歌っているのだと思います(*^^*)
――ご著書のなかで「幸福とは義理の兄弟より多く稼ぐことだ」という風刺的な一文を引用されています。なぜ人は幸福に関しては視野が狭くなりがちなのですか。
コーエン 人と人の間でしか生きられないのが人間の性(さが)ですからね。そのこと自体は何も恥じることではありません。これさえあれば絶対に幸せになれるといったものはないのです。もちろん食べるものや飲むものがなくて基本的な欲求が満たされていなければ幸せになれないかもしれません。しかし、基本的には、人の幸せとは周りとの関係から生まれます。
単純化してしまうと、ヒトは社会で生きることを尋常でないほど切望する動物なのです。そこがヒトがほかの動物と違うところです。ボノボにも社会性はありますが、ヒトはボノボとくらべても社会性が段違いです。人にとっての成功とは、何か絶対的な基準があるわけではなく、つねにほかの人と比較してのことなのです。
ですから、むしろ問うべきなのは、なぜ資本主義の世界では、このような他人と自分の比較が、お金という尺度だけに集中するのか、ということなのではないでしょうか。私が資本主義の世界に関して残念に思うのは、お金が人間関係においてこれほど大きな意味を持つようになってしまったことです。「幸福とは義理の兄弟より多く稼ぐことだ」と思えてしまう、そんな世界をつくり出したのが、18世紀後半の西洋から発展していった資本主義であり、いまそれが世界全体に広まってしまったのは悲劇的です。
――経済成長と個人の幸福の間にはどんな関係があるのですか。
コーエン いま言ったこととも関連しますが、人は豊かさの絶対量で幸福になったり、不幸になったりするわけではありません。現代のような資本主義の世界では、豊かさの絶対量ではなく、暮らしが豊かになっていく過程が幸福をもたらします。つまり経済成長が幸福をもたらすのです。そのため逆説的ですが、貧しくても経済が成長している国で暮らすほうが、それなりに豊かでも経済が停滞している国で暮らすより幸せだったりします。経済が停滞してしまうと、自分もいずれは豊かになれるという希望が持てなくなりますからね。将来への希望が持てなくなると、人は強い不満を覚え、生きづらさを感じるようになり、社会内の緊張が高まります。
(中略)
――話を幸福に戻します。ご著書では、「自ら首を吊ろうとする者も含めて、誰もが幸せを求めるのだ」というパスカルの言葉を引用されています。コーエンさんは幸福になるために何をしていますか。人は幸福になるために何をすればいいのですか。
コーエン 人とともに生きること、信頼できる友人を持つこと、ほかの人との競争をできるだけ敵意のないものにすること。そんなことを意識しています。私はあまり嫉妬する性格ではありません。競争意識もあまりないので、そのおかげで幸せになれている側面はあると思います。
いずれにせよ幸福を目標としてとらえるのはよくないですよね。「幸せになろう」と思ってもうまくはいきません。アリストテレスだったかと思いますが、幸福は報酬であり目標ではないと言っています。目標とすべきは、近しい人ともに時間を過ごし、その人たちを助けたり、会話をしたりすることです。家族や友人だけでなく、交流の範囲をもっと広げるのもいいかもしれません。私は教師なので、自分の教え子がそれぞれの進む道を見つけたときには大きな満足感を覚えます。
幸福になるために何かをしようとは思わずに、ほとんど幸福のことは忘れたほうがいいのです。フロイトによれば、幸福とは、寒くて毛布をかけたときに味わう束の間の感覚のようなものだとのことです。心掛けるべきなのは、自分の内の調和を保ち、周りの人とも調和を保つことです。
ダニエル・コーエン(Daniel Cohen)
『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』(クーリエ・ジャポン/編、講談社現代新書、2021年)より
その価値、プライスレス!とはよく言ったものだと思うのですが、実際にはお金を増やす話などが溢れていて、そうじゃないと思うんだけどなぁ…(^^;)と天邪鬼になっております。ただのひがみかな!?
幸福のことはほとんど忘れたほうがいい、のところで思い出したのですが、むかし葉書で懸賞に応募していた頃、応募したことさえ忘れたようなのは当たれど、「あれ、当たらないかな~」とどこか期待をしたまま覚えているようなのはいっこうに当たりませんでした。
The worth of our lives is priceless ☆
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