2021年上半期、面白かった映画 【外国映画編】
2021年もお盆に突入してしまいましたが、今年の上半期の面白かった映画をまとめてみたいと思います。
前回、「日本映画編」を紹介しましたので、そちらも参考に。
ルールとしては、日本映画と同じく以下の選定基準です。
<選定基準>
・2021年1〜6月に観た作品
・映画館で新作公開か、新作動画配信の作品
・映画館でもリバイバル上映は含まない
・動画配信の過去作品は含まない
それでは、「外国映画編」を紹介していきたいと思います!
なるべく公開順に並べていきます。
画像にFilmarksのリンクを貼っておきます。
『聖なる犯罪者』
これは強烈でした。少年院出の主人公は、偶然ある街で司祭の代わりを勤めるんですが、それが人気になっていく。でも犯罪者は聖職者にはなれない。
どうなっていくのか先の読めない展開に、主演のギラギラしたヤバイ感じもすごく良かったです。
年の初めからいい映画に出会った!っていう感じでした。
『KCIA 南山の部長たち』
独裁政権時代の韓国、大統領の直属で絶大な権力を誇る韓国諜報機関のトップが直属のボスである大統領を射殺するという衝撃的な事実を描いた作品。
もう重厚だし、迫力あるし韓国映画のレベルの高さを存分に見せられた感じ。イ・ビョンホンもいぶし銀な抑えた演技が良かった〜。
『天国にちがいない』
個人的に好き。
奇才エリア・スレイマンが故郷のパレスチナから、新作映画の企画を売り込むためにパリ、ニューヨークへと旅をする。
そこで目にするものは、世界中にある矛盾や隣人との対立。
それをなんともオフビートに、ユーモアたっぷりに描かれてます。
監督が本人役でそのままで登場して、パリで企画を映画会社にガン無視されるとことかシュールすぎて笑えます。
こういう個性あふれる才能と世界観は大好きです。
そしてとにかく画がキマっててどのショットも美しい。
『ミッドナイト・ファミリー』
これは知らない世界を垣間見た、衝撃の現実。
人口900万人に対して救急車がわずか45台という大都市メキシコシティで、闇営業の救急車をやってるオチョア家族に密着したドキュメンタリー。
無線を傍受しては事故現場に急行し、同業者とカーチェイスしながら一番乗りを競う。そして助けた相手が貧乏すぎて売り上げにならないなんてことも笑
そんな日本では考えられない現実を知れるのも映画のいいところ。
『夏時間』
これはめちゃくちゃ良かったです。
ある家族のひと夏の話なんですが、いろいろと家族の抱えてる問題とかもありつつも緩やかに日常が進む姿を優しく描きとった作品。
その中で主人公の少女から男性優位な社会を見るところが秀逸で、名作『はちどり』が引き合いに出されるのがよく分かります。
こういうタイプの作品も出せちゃう韓国映画の幅広さを感じます。
『藁にもすがる獣たち』
金に困った訳ありな面々、そこにバッグに入った大金が舞い込んだら。。
これは最初から最後まで目が離せない傑作サスペンス!
原作は日本で、曽根圭介による同名小説。それを韓国映画で映像化。
マンガをはじめ原作が豊富な日本と、エンタメ界のパワーがすごい韓国、この組み合わせが実はめちゃくちゃ相性いいのではと思ってしまう。
『ミナリ』
こちらはアメリカに移住した韓国移民の家族の話です。
アメリカ映画ながらほぼ韓国人キャストという設定で、トランプ政権下での移民問題へのアンチテーゼとしての意味合いもあるであろう作品。
何もわからない土地で右往左往して苦労しながら居場所を確立しようとする家族がまた個性的でいいんです。特に息子とおばあちゃんのやり取りや関係性が楽しいんですよね。
おばあちゃん役のユン・ヨジョンはこれアカデミー賞助演女優賞を見事に受賞しました。アジア人女優としては初?の快挙でした。
『ノマドランド』
こちらは、今年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞など主要部門を総なめにした作品なので知名度はかなりある作品。
だけどコロナ禍での公開だったので公開直後に映画館が休館してしまったりしたので意外と観てない人が多いかもしれないです。
家を持たず季節労働者として車で寝泊まりする漂流者(ノマド)として暮らす現代のアメリカ人女性が主人公。しかも主演以外はほぼ本物のノマドの人たちというかなりリアリティある現代アメリカの裏側を描いた作品。
この辺りはさすがクロエ・ジャオ監督。今後も楽しみです。
『サンドラの小さな家』
これは思わぬ傑作でした。
DV夫に悩まされた主人公を娘を連れて家を出るんですが、シングルマザーの社会的弱さを目の当たりにし、自分で家を建てようとする物語。
一見突拍子もないんですが、YouTubeとかで色々調べた結果たどり着いた答えで、そこに周囲が徐々に助けに集まってくれるすごくハートウォーミングな映画。
こんな時代だからこそ助け合いが必要だったりするんですが、そんな心の穴を埋めてくれるようないい話です。
『ブックセラーズ』
本好きな人は必見の本作!
個性的な書店の人たちや、本のディーラーたちに迫ったドキュメンタリーで、希少本や変わった本への偏愛や取り扱いが見てて楽しい!
『サウンド・オブ・メタル』
この作品もめっちゃいい!
突発性難聴になってしまったミュージシャンの苦悩と再生を描いた作品なんですが、これはアカデミー賞の録音賞を受賞した作品で、とにかく音響の仕掛けがすごいんです。キーンっていう耳鳴りや無音っていう状況を音響効果を巧み使って表現してます。
Amazonプライムビデオで観れる作品なんですが、ヘッドホン鑑賞が推奨されるのも納得な作品です。
そして、なんと音響が売りの映画館での公開も決定したのでこちらも楽しみです。
『ファーザー』
こちらも大傑作。
認知上の父親を心配する娘とのドラマなんですが、認知症の側から描くことによって映画がミステリーの作りになってるんです。
同じ人間が違うことを言う、知らない人間が親しげに話しかけてくる、、
これによって映画の深みがグッと増してるんです。
本当にすごい。そしてそれを体現し切ったアンソニー・ホプキンスがめちゃくちゃすごいんです。
彼はアカデミー賞で主演男優賞をこれで受賞しました。
それも納得の演技です。
『ジェントルメン』
これぞガイ・リッチー!
やっぱり悪党同士の騙し合い、凌ぎ合いを描いてもらいたいものです。
ガイ・リッチー同様、それなりに登場人物たちもオヤジたちが多くなってきましたが笑 それでもやっぱりカッコいいし、スタイルがキマってていい。ファッションにこだわりある面々がいいんですよね。
『アメイジング・グレイス』
アレサ・フランクリンのイメージが、すごい覆りました。
紅白の最後に出てくる大物的なゴッドかあちゃんなイメージだったんですが、この頃は若くて歌い出したら誰もが魅了される天才なのに、人見知りで全然しゃべれないすごくシャイな一面が。
天才なのにシャイっていう大坂なおみ選手みたいな印象でした。
そしてやっぱり歌がすごいんです。
これは教会でのライブ映像なんですが、映像と音声があってない技術的なトラブルでずっと公開されず、数十年の時を経てようやく公開された奇跡の作品なんです。
ミック・ジャガーが普通に見に来てたりしてそういう雰囲気も良かった。
『アメリカン・ユートピア』
これはもう本当にサイコーなやつでした。
かなり評判も良かったのですが、もう間違いないやつです。
デヴィッド・バーンとアーティストたちのパフォーマンスも最高ですし、そのメッセージもいいんですが、やっぱりライブに行けないこの時代に打ち出したライブ映像を劇場の大スクリーンと音響で観れたことが色々とシンクロして欲求を満たしてくれた満足感があったんだと思います。
『逃げた女』
この作品は大好きです。
最初観終わった時は、「え?終わっちゃった」って思いましたけど笑
後から面白さがジワジワ込み上げて、さすがホン・サンス!ってなりました。
一見ただの日常会話で同じような話を3人の知人と繰り返すだけなんですが、その会話の内容や突然の来訪者やちょっとした出来事に、男性社会に対する女性の立ち位置や主人公の心情のヒントなんかが散りばめられていて、本当によくできるなって思います。
『トゥルーノース』
これは本当に衝撃的な内容でした。
TEDでプレゼンするアジア人の映像から始まるんですが、内容は北朝鮮の強制労働施設の過酷すぎる現実の話。
ひと昔前ならいざ知らず、こんなことが現代で並行して行われているのかと思うと信じられない思い出いっぱいです。
決死の思いで脱北した人物の証言として描かれる知られざる現実。
アニメーションだからこそ表現できるし、ソフトになるのでとても見やすいです。 これはみんなが知っておいた方がいいやつです。
『クルエラ』
くー、面白かった!
101匹わんちゃんの悪役クルエラの誕生譚なんですが、クルエラをまず知らないというくらい知名度のない主人公。
それをここまで昇華させたのは本当にすごい!
『プラダを着た悪魔』のような設定で、復習する相手を見つけたエステラはクルエラとなってファッションで逆襲を開始する、
これがカッコよくて、爽快で、パンクで、楽しい!
最後に
簡単にですが、「上半期面白かった映画」の外国映画編を紹介させていただきました。
数えたら17本ありました。
年末には通年で10本に絞ってまた発表したいと思います。
やっぱり何だかんだ面白い映画は結構ありますね。
後半戦も観続けていきたいと思います。
最後までありがとうございます。