2019年 映画ベスト10(日本映画編)
note 始めました。外国映画編に続き、2019年に観た劇場公開した新作映画の中から日本映画ベスト10の発表です。昨年は250本くらい観ましたが邦画も良い作品多かったです。色んな人の口コミが見れる映画レビューサイトFilmarksのリンクも載せてます。
日本映画ベスト1〜5位
1位 『新聞記者』 (監督:藤井道人)
現政権への疑問を鋭くついた社会派ドラマ。日本映画でここまでやれたのはすごいし映画としてちゃんと面白い!
2位 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』 (監督:片渕須直)
やっぱり傑作!前作からただシーンが追加されただけでなくしっかり再編集されていて、人間ドラマとしての深みが増している。
3位 『宮本から君へ』 (監督:真利子哲也)
とにかく熱い!熱量がすごい。魂を拳に乗せる真利子哲也に呼応した池松壮亮、蒼井優ほかキャスト陣がすばらしい。
4位 『よこがお』 (監督:深田晃司)
不思議な違和感に包まれたミステリー、だけど最後にしっかりと回収され監督としての円熟さを感じる良作。筒井真理子が美しい。
5位 『海獣の子供』 (監督:渡辺歩)
とにかく映像表現が力強くて素晴らしい! 海、宇宙、そして生命の起源へ、謎めいた異世界への神秘の旅。とても独創的で絵画の中を彷徨うかのよう。
日本映画ベスト6〜10位
6位 『メランコリック』 (監督:田中征爾)
これは面白い! ポスターのイメージに反してまさかのコメディ。新人監督による低予算インディーズの傑作。
7位 『愛がなんだ』 (監督:今泉力哉)
好き、っていう理屈では何ともしがたい感情の悲喜交交を描き続ける今泉監督。恋愛のあるある、いるよねそういう人っていう絶妙なところをついてくる。あのラップもサイコーでした。
8位 『岬の兄弟』 (監督:片山慎三)
すごい新人監督が現れた!寂れた港町で障害を持った天涯孤独な兄妹が落ちるところまで落ちてゆく。荒々しくて繊細、大胆で周到、どこかポップでユーモアがある。とても新人とは思えない力量。
9位 『わたしは光をにぎっている』 (監督:中川龍太郎)
失われゆく古いもの、居場所がない不安を丁寧に優しく撮り上げた秀作。最後にホロリと泣いてしまう。キャストも良かったし(特に光石研)、淡い映像がとてもきれいだった。
10位 天気の子 (監督:新海誠)
天気の話だけでこれだけ広げられるって結構すごいこと。その中でちゃんとワクワクさせられる。そして背景美術はやはり一級品の美しさ、それが東京の姿を写し出す。
<まとめ>
2019年の邦画興行成績は、天気の子が約140億円でトータルでもダントツ1位、その他名探偵コナンなどアニメがずらりな状況。そんな中で作家性の強いインディーズの新人監督がいろいろと出てきているのが嬉しい。メランコリックの製作チームにはもっと大きなバジェットで作ってもらいたいし、中川龍太郎もメキメキと頭角を表している。真利子哲也や今泉力哉、深田晃司も順調にキャリアを伸ばしている。そして、新聞記者のような気概のある作品が日本でも出てきてエンターテインメントとしてちゃんとヒットしたのがすごい。森達也のドキュメンタリー「i -新聞記者-」とセット観ると面白い。