『アナザーラウンド』の見どころと、お酒が飲みたくなる映画3選!
マッツ・ミケルセン主演の最新作で、今年のアカデミー賞国際長編映画賞(旧外国語賞)を見事受賞した映画『アナザーラウンド』がいよいよ公開となりました。
期待通り面白かったですし、お酒が飲みたくなるような映画だったので関連して「お酒が飲みたくなる映画」もあわせて3作品紹介してみたいと思います!
(画像にFilmarksのリンクを貼っておきます)
『アナザーラウンド』(9/3公開)
2020年 デンマーク 117分
監督:トマス・ヴィンターベア
出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、マリア・ボネヴィー
<あらすじ>
アルコールに関する仮説を話すうちに、それを実験することにする冴えない高校教師のマーティンとその同僚たち。
やがてその成果があらわれはじめるのだが…
マーティンは、授業が最悪に退屈な歴史の教師で生徒からも人気がないし挙げ句の果てに生徒の保護者たちから進学に差し支えると突き上げを喰らう始末。
もう泣いちゃうくらいイケてないんです。
そんな時に同僚との飲み会で「常にアルコールを入れておくといい」らしいというノルウェー人哲学者の話が持ち上がります。
その説とは、
「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」
というもの。
「人間は元々血中アルコール濃度が0.05%足りない状態で生まれてきている」という理論から、お酒を飲めば仕事の効率は上がり想像力がみなぎる、という酒呑みからしたら飛びつきたくなるような説。
なんと、これを実際にやったらどうなるかを実験していこうじゃないかと同僚の教師たちと一緒に仕事中にお酒飲みだすという映画です笑
デンマークのお酒事情
試しにお酒を飲んでいざ授業に挑むと、それまではボソボソと喋ってたのが明るく大きな声になって少し大胆に生徒ともやり取りしていくようになります。
その生徒とのコミュニケーションの中で、君は普段どのくらいお酒飲んでるの?言わないから言ってごらん。と言ってクラスは盛り上がります。
でもその時の生徒が回答した飲酒量は、まあまあな量なんです笑
「え? 高校生なのに飲み過ぎじゃない!?」って思うし、
そもそも冒頭のシーンが、高校生たちが飲酒しながら公園を走り回るゲームのシーンから始まるんです。
実は映画の最後に注釈は入るのですが、デンマークではなんと16歳からお酒が飲めるらしいんです。
アルコール度数が高いと18歳以下には売っていけないとか、一応あるらしいんですが罰則も特にないんだとか。
そういうお国柄も分かってくるとまた楽しいです。
お酒の効果は抜群!?
お酒を飲むことで、同僚の教師たちもそれぞれの授業(体育、音楽など)で見事に成果を出していきます。
サッカーの授業で、メガネくんが活躍した時なんて、ガッツポーズを主人公たちと一緒にしたくなっちゃうくらい盛り上がります!
これだけ万事が順調になるんだったら、仕事中にお酒飲んじゃおうかなって思ってしまうくらいです笑
それにこの映画を観ていていいなって思ったところが、悩みを共有したりプライベートの時間を一緒に過ごせる同僚たちがいるところなんです。
教師なのにやってることが学生みたいで、お酒飲んでハイになって音楽を大音量で聞いちゃったりして、シンプルに楽しそうなんです笑
北欧のインテリア
ヨーロッパって基本的に街並みだったりキレイだったりしますが、この作品も学校以外にもそれぞれの自宅が出てきたりするんですが、やっぱりどの家もインテリアがさりげなくおしゃれです。そこはさすが北欧だなって思っちゃいます。 普通の家庭だったりするので日本だったらもっと生活感出ちゃうと思うんですが、生活感もありつつスッキリしている感じがあってすごくキレイです。
インテリアとかに興味ある方は、そういうところのこの作品のポイントかなって思いますので、細かいところまでチェックしてみるとより楽しめると思います。
お酒はそんなに甘くない!?
仕事だけでなく、家族とも上手くいくようになっていくマーティン。
この実験をもう1段階アップデートするために、なんとさらにアルコール濃度を上げることにします。明らかに酔っ払ってるくらいな感じにはなるんですが、授業は絶好調。生徒たちからの人気も上がり続ける結果を見て、同僚たちもアルコール濃度をあげていきます。
ところがところが、案の定ではあるのですが徐々のお酒に飲まれていきます。。
もう、そりゃそうだって感じもあるんですが、遂にやらかし出します。
ちょっと危ないなーとは観ていて思わせられるんですが、徐々にタガが外れていきます。
でもまあ、お酒飲んでやらかしたことって誰でもあると思うのである程度想像つくことではあるのですが、やっぱり観ていてヒヤヒヤしちゃいます。
そして、ついに、、、
この先どうなったかは、ぜひ劇場でご覧ください!
マッツ・ミケルセンの魅力
主演のマッツ・ミケルセンはデンマーク出身で、「北欧の至宝」と言われるほど人気の俳優です。
元体操選手でダンサーだったため、身体能力も高く、本作でのダンスシーンでもその身のこなしはとても鮮やかで、広げた指の先まで優雅で美しいです。
世界的に有名になったのは、『007 / カジノ・ロワイヤル』でカジノのポーカープレイヤーのル・シッフル役です。この作品は、ジェームズ・ボンドがダニエル・クレイグになっての新シリーズという記念すべきタイトルだし、アクションがすごくなっていて個人的にも好きな作品です。
その後はハリウッドでも、『ローグ・ワン / スターウォーズ・ストーリー』や『ドクター・ストレンジ』などビッグタイトルに次々と出演しています。
Netflixオリジナルの『ポーラー 狙われた暗殺者』は、ハリウッド作品で主演をはるまでになりました。
本作の監督トマス・ヴィンターベアとは再タッグなのですが、以前に組んだ作品が『偽りなき者』。この作品はとても評価も高いです。
今年のアカデミー賞、受賞作品
この作品、実は今年のアカデミー賞で「国際長編映画賞」を受賞しています!
この賞は、以前は「外国語賞」っていう名称でしたが、基本的にはハリウッド外の英語圏以外の作品が対象になっていて、「アメリカ映画以外の一番すごいやつ」くらいの賞なんです。
ちなみに昨年受賞したのは『パラサイト 半地下の家族』です。
この作品は作品賞まで受賞してしまったので国際長編映画の印象があまりないかもしれませんが、結構すごい賞なんです。
ちなみに、この『アナザーラウンド』と国際長編映画賞を争ったのが、『少年の君』です。この作品も傑作で、まだ劇場公開していますので機会があればぜひ。おすすめです。
さて、ここからはついでなんですが、「お酒が飲みたくなる映画」を3本ご紹介したいと思います!
『天使の分け前』
こちらはイギリスの名匠ケン・ローチ監督の作品です。
ケン・ローチって社会派でユーモアを交えつつ割とシリアスな作品が多いのですが、本作はユーモア多めです笑
とある不良少年がひょんなことからウィスキーの鼻が利くことが判明し、ウィスキーの大会を目指し更生していく姿を描いたヒューマンドラマです。
スコッチウィスキーの作り方から分かるし、とにかく美味しそうで観ている最中からもう飲みたくなっちゃいます。 当時、映画館で観ながら今日は絶対スコッチウィスキーだなって決めて買って帰りました笑
ウィスキー作りの豆知識ですが、蒸留する際に樽に詰めるんですが年月が経つと蒸発して少し量が減るんですがそのことを「天使の分け前」っていうんだそうです。なんか洒落てますよね。
そんな洒落たタイトルがついたのが本作なんです。
『ウィスキーと2人の花嫁』
舞台は第二次世界大戦下のイギリス北部の島。
戦時下でついに島民が大好きなウイスキーの配給が止まってしまった!
そんな時にウイスキーを大量に積んだ船が座礁してしまう。 これは!と思った島民たちはウイスキーを救出に向かう!
というなんともほのぼのしたコメディです。
ウイスキー産地の人たちのウイスキー愛がすごくて、本当に飲みたくなる笑
この人たちが実に美味しそうに飲むんです。
みんな座礁した船からウイスキーを救出(笑)して、こっそり隠し持って密かに楽しむ。 どんだけ好きなんだ!って微笑ましくなっちゃいます。
『恋のしずく』
こちらは、日本酒です。
ウィスキーと同じようにお酒づくりが描かれながら主人公が成長していく物語なんですが、知られざる日本酒作りが垣間見れて、これまた日本酒が飲みたくなっちゃうやつです。
杜氏(とうじ)っていう職人の姿がやたらかっこいい。
日本酒って蔵が日本中にあって、それぞれ個性的だったりするんですが本作の舞台になっているのは東広島なんです。
この映画観るまで知らなかったんですが、東広島って日本酒の蔵で有名なんですね。 機会があったら行ってみたいと思いました。
この映画の公開当時は、東広島の酒蔵とコラボした商品も売ってたりしてすごい飲んでみたかったです。
最後に
今回は、お酒絡みの映画ばかりを紹介してみました。
『アナザーラウンド』はまだ公開されたばかりなので、ぜひ映画館で鑑賞されることをおすすめします。
「アナザーラウンド」の意味は「もう一杯」とのこと。
おかわりは飲みすぎない程度にしましょう。
最後までありがとうございます。