
ジム・ジャームッシュ レトロスペクティブ2021
映画好きの中でも特にミニシアター系の作品が好きな人たちから大きな支持を集める映画監督といえばジム・ジャームッシュでしょう。
かっこいいビジュアルな割に飄々とした登場人物たちとゆるいというかオフビートな雰囲気が何ともいい感じ! 虜にさせる独特の魅力を持っています。
そんなジャームッシュの特集上映「ジム・ジャームッシュ レトロスペクティブ2021」が東京で開催中です。
本来ならば7月22日で終了していたはずが、好評のためか1週間延長されて7月29日まで開催中です!
やっぱり最高だったので、今回はジャームッシュの特集上映をnoteにまとめてみたいと思います。
興味があるけどまだの方はこの機会に1本でも鑑賞されることを強くおすすめします!
JIM JARMUSCH Retrospective 2021
今回の特集上映では、ジム・ジャームッシュの作品の中から12作品がセレクトされています。(オムニバス短編入れるとジャームッシュ監督作は全16作品です)
<今回のラインナップ 12作品>
『パーマネントバケーション』(1980)
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)
『ダウン・バイ・ロー』(1986)
『ミステリー・トレイン』(1989)
『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991)
『デッドマン』(1995)
『ゴースト・ドッグ』(1999)
『コーヒー&シガレッツ』(2005)
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)
『パターソン』(2016)
『ギミー・デンジャー』(2016)
『デッド・ドント・ダイ』(2019)
初期作品から最新作までいいとこどりなラインナップ!
もうどこを切り取ってみても美味しいですが、
・結構観てるけどまだ未見の作品
・大好きなのにスクリーンでは観てない作品
・この機会にまたスクリーンで観たい作品
など人それぞれポイントがあると思います。
それでもやっぱり、「観たいやつを観る」が一番いいです。
とはいえ、ジャームッシュ作品を全然観たことがない方はどれを選んだらいいのか分からないと思います。そんな方にはやっぱり初期作がおすすめです。
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、『ダウン・バイ・ロー』
一見取り留めもない話なんですが、バラバラの個性の何気ない会話の中にユーモアがあって、とってもゆるいのに自由への強い意志を感じる独特の雰囲気があってジャームッシュ節をより感じられると思います。
それにオムニバス作品の
『コーヒー&シガレッツ』、『ナイト・オン・ザ・プラネット』、
結構な豪華キャストで小ネタを連発するのが面白い笑
この辺りは個人的にとても大好きです。
ジム・ジャームッシュとは
ジム・ジャームッシュは、アメリカ出身の映画監督で脚本家です。
ニューヨークを拠点に今でも精力的に映画を撮り続けています。
昔から白髪でサングラスの似合うイケメンのこのおじさんがジム・ジャームッシュです。
そして今回の特集上映ですごくいいなと思ったポイントを挙げてみたいと思います。
ポスターデザインがかっこいい!
今回のレトロスペクティブのポスターデザインに合わせ、今回の参加作品それぞれも全て新しくそして統一感あるデザインに変更されています!
このデザインがめちゃくちゃかっこいい!
映画館にチラシが置かれただした時も持ち帰る人が続出で、すぐになくなってしまったほどです。
今回のデザインを手掛けたのは、今や映画ポスターデザインの第一人者である大島依提亜(おおしま いであ)さん。
大島さんについては、以前にもnoteで触れていますのでそちらもぜひご参考に。
やっぱりデザインがいいだけで、グッときちゃいますね。
これだけで観たい度がめちゃめちゃ上がります。
映画館によって作品が違う!
デザインともう一つ特徴的なのが、この特集上映を展開している映画館によって上映作品が違うところです。
特集上映の場合、一つの映画館だけで実施されるか、パッケージとして同じ内容のものが複数の映画館で展開されたり、順次巡回したりします。
ところが今回は、映画館によって作品が決まってました。
◎新宿武蔵野館:
『ダウン・バイ・ロー』、『コーヒー&シガレッツ』、『デッドマン』
◎ヒューマントラストシネマ有楽町:
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、『パターソン』
◎シネクイント/ホワイトシネクイント
『ゴースト・ドッグ』、『ミステリー・トレイン』
◎アップリンク吉祥寺:
『パーマネント・バケーション』、『ナイト・オン・ザ・プラネット』
しかも、その映画館でやる作品のチラシしか置いてなかったんです。
なのでこのデザインのかっこいいチラシを集めようとしたら、全部の上映館を巡らないとゲットできないという仕掛け。
これも良かったです。
そして、今回スタンプラリーの企画もやっていてファンとしては参加劇場を巡ってしまう流れとなっていて、一見不便なようだけど限定感があってこういうのもいいなと思います。
パンフレットがいい!
パンフレットもかなりいいです。
こちらのデザインももちろん大島依提亜さんの仕事。
紙質、写真の配置、サイズ感といい、内容はもちろん本としてすごくいいです。
内容としては、今回の上映作品12作品分をまとめて1冊のパンフになってます。
作品ごとに写真もしっかり載ってるのもいいんですが、それぞれの作品に思い入れのある著名人がたくさん寄稿してるのがいいんです。
『ミステリー・トレイン』に出演している永瀬正敏によるジャームッシュについてコラムから始まり、今泉力哉、細野晴臣、角田光代、尾崎世界観、山下敦弘などなど、各界の著名人が作品ごとに想いを寄せています。
これはもう絶対に買った方がいいやつです。
12作品分ですが、値段は1200円。
普通のパンフよりは高いですが、その分のこだわりや質がしっかりあります。
7月29日まで開催中!
7月22日までだったのですが期間が延長しましたので、見逃している方はまだチャンスあります!
やっぱり映画館のスクリーンと音響で観れるのはとても貴重だし、最高の環境なのでこの機会に1本でも観ておけるとすごい思い出になると思います。
▼公式サイト
他にもあるジャームッシュ作品!
今回の12作品には入っていませんでしたが、それ以外のジャームッシュ作品で好きな作品をご紹介します。
『リミッツ・オブ・コントロール』(2009)
こちらはざっくり言うと殺し屋モノなんですが、主人公がいつもエスプレッソを2杯頼むとかスタイルがキマっててカッコいいです。
コードネームを持つ仲間たちと情報交換をしていく感じもみんな個性的なキャラで楽しいし、詩が出てきたり、殺しの手際も余分な過程を排除した演出とか一般的なスパイ映画とは一線を画していて、大好きです。
ストーリーなんか分かんなくても大丈夫。
ジャームッシュ流のスパイ映画を楽しめます。
インスタでも
インスタはいつも気軽に映画情報をアップしていますので、こちらもチェックしていただけると嬉しいです。
最後に
旧作の特集上映って結構好きなんですが、今回はその中でもかなり秀逸な企画だなーって思います。
デザインを一新するだけでこうも魅力が増すのかと思いましたが、作品の中身が良ければ必ず満足できるので、観たくなることがとても大事だと思います。
前回は、ロメールの特集上映をnoteに書きましたのでそちらも参考まで。
早いもので7月も下旬にさしかかり、今年の上半期も過ぎてしまってたので上半期の振り返りもしていきたいなと思います。
最後までありがとうございます。