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【創作】日本人、一億みんな小説家時代が来ると予言した人、梅棹忠雄。

1970年代頃、
日本人はみな、自分のために小説を
少なくとも1冊は書くようになる、と
言い出した学者がいました。

「日本人、一億・総小説家説」です。
これを唱えたのが、
1920年生まれの文化人類学者
梅棹忠雄さんでした。

『情報の文明論』『知的生産の技術』
『文明の生態史観』『女と文明』など、
今なお色あせない著作を執筆しました。

予言していたのが、どの本だったか、
今ちょっと思い出せないのですが、
彼の名著『情報の文明論』(中公文庫)は
「物質とエネルギーの産業化は、
やがて精神の産業化に移り変わり、
情報産業社会の到来をいち早く予告。
その無限の可能性を
巨大な文明規模の視野のもとに考察した、
先見性と独創性に富んだ本でした。

20世紀は
新聞と、ラジオ、テレビが
「公」を「公」に伝える時代であり、
21世紀は、
それが個人の精神へ内面へと向かう。
その傾向とネットの出現があいまって
日本人はやがて、
誰もが作家になるだろう?
……そんな話だったような
うろ覚えですみません。

たしかに今は、
このnoteでも創作は多いし、
「小説家になろう」サイトも
登録者はすでに数万人。
誰もが作家になる時代が来てるのは
確かです。

公が公を伝えるのは、
もう一部の旧来のNHKの
テレビとラジオが担ってくれれば、
困らないでしょう。

では、個人が「個」を公に
知らせ、伝えるというのは、
各種SNSでしょう。まさに今。
でも、このの私たちの状態は、
果たして「最終形態」なのかしら?

そこまでは、知の巨人・梅棹先生も
書いていなかったような気が…。

全員が作家になってしまえば、
作家は特別な存在ではなくなり、
互いに自分の小説を見せ合う時代に
なっていくのでしょうか?

そうなると「作家」を特別視することも
作家で生計を立てることも
できなくなりますねえ。

それくらい、人が
「個」を「公」にさらすことが
当たり前になるとは、
まだ、私のような凡人には
想像がつかないですが、
でも、きっと次のステージの萌芽は
どこかでじわじわと
作り出されているかもしれない。

それが分かると
面白いことが出来そうだなあ(笑)。

「公」とか「個」とかの概念から
まったく関係ないところから
それは始まるのかもしれない。

それが宇宙だと思う人もいれば
いや、昆虫の生態ではという人も。
もっと、生命や森羅万象の摂理について
文系も理系もどっちも真剣に
見つめなおす時代が来そうですね。

願わくば、それが人を縛る
イデオロギーではないことは
うれしい限り。

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