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【エッセイ】平成を代表するエッセイの名手は誰でしょう?
平成のエッセイの名手って
誰でしょうか?
昭和なら、
向田邦子、幸田文、森茉莉、
男性では山口瞳、椎名誠、
といった人物が浮かびます。
群ようこや林真理子は
昭和と平成をまたぐ存在ですね。
息が長い仕事をしてる。
平成を代表する
エッセイの名手では
三浦しをんは間違いなく
エントリーしますね。
初期のエッセイは
まだ売れてない時期も含まれ、
妄想が暴走炸裂しています。
『人生激場』
『しをんのしおり』
『ビロウな話で恐縮です』
『乙女なげやり』など。
エッセイの王道とも言うべき
身辺雑感です。
笑いや癒しの要素もあるんですが、
三浦さんは、自分の本には
絶対に「癒しの…」とは
銘打って欲しくないから、
そんなキャッチコピーは
編集者には使わせないらしい。
その覚悟の深さに乾杯!(笑)。
他にも、
川上未映子さんも
筆運びが独特すぎて、
ついていくだけでも楽しい。
『世界クッキー』
『そら頭はでかいです。
世界がすこんと入ります』
『すべてはあの謎に向かって』
『きみは赤ちゃん』
『発光地帯』
『安心毛布』
『魔法飛行』
『おめかしの引力』
一見、読みやすく、
でも読み出すと、
グイグイ引き込まれます。
決して時事問題や
大きなテーマを扱う風はない、
でも、読み終わると
大事な話を聞かせてもらった
気持ちになります。
川上未映子の頭はどうなって
いるんだろう?
あ、頭はどうなってるんだろう?
と疑問になるエッセイの書き手に
橋本治さんや町田康がいます。
町田康は、川上さんのエッセイに
非常に近い読み当たりですが、
これまたグラングランした
思考の軌跡を辿る快感。
ただ、川上未映子みたいな
着地点がないまま、
ほうりだされます(笑)。
橋本治は、
つねに現実を疑い続けた
作家でした。
エッセイでも、
『負けない力』
『大不況には本を読む』
『そして、みんなバカになった』
『宗教なんかこわくない』
『失われた近代を求めて』
『三島由紀夫とは
何ものだったのか』
あれ?
川上未映子がとことん
自分の周辺を語るのに対して
橋本治さんは、
社会や言葉や時代を
語ろうとしていますね。
橋本さんは昭和の沼から
這い出でようとして、
時代や国家から
離れ切れなかったのかも?
いや、昭和の後片付けを
してくれたのかもしれない。
という意味では、
川上未映子さんが
一番平成らしいのかしら?