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【1995年】阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件

今日、1月17日は、
30 年前、阪神淡路大震災が起きた日。

あの日、テレビに食いついて
炎が立ち昇る神戸の街を見て、
衝撃を受けた人は多かったでしょう。

その中には、すわこそと
自らボランティアに向かった人も
たくさんいました。

関西に大地震は起きないと
なんとなく安心していた暗黙知が
吹っ飛んだ大惨事でした。

そんな大震災の衝撃冷めやらぬ3月、
今度は、オウム真理教が東京で
地下鉄サリン事件を巻き起こしました。

現代日本に、
ナチスが開発した毒ガスを使って、
社会を、人間を、安全神話を、
抹殺しようとする組織が
この日本にあったなんて
想定外中の想定外だったから
日本はしばらくパニックに
陥ってしまいました。

それから、30年が過ぎようとして、
数年前までは、サリン事件も
もはや「歴史」になったと
マスメディアもうそぶいていました。

でも、オウム真理教がたとえ
力を削がれ、弱体化しようと、
第2、第3のオウム真理教が
また誕生し、世の中を
吹っ飛ばそうとするだろう、
と思っていたら、
今度は、安倍元首相暗殺事件を機に
旧統一教会が
日本社会のあちこちで
サリンに並ぶメンタル的な毒ガスを
撒き散らしていた事実を知らされ、
またまた深い衝撃を受けました。

サリン事件について、
村上春樹はこう書いています。
「多くの人々はショックを受けた。人々は首をひねった。そこまで人を戦闘的に憎しみに駆り立てる精神とはいったい何なのだろう? そしてそのような憎しみは、突然変異的に生まれてきたものなのだろうか? あるいはそれは我々自身の作ってきたシステムが必然的に生み出したものなのだろうか?」『村上春樹雑文集』新潮文庫。p245より引用。

我々が作ってきたシステムが
引き起こした事件であろう、
私はそう感じる一人ですが、
今度、そんな惨劇をもたらすのは、
オウム真理教でもなく、
旧統一教会でもなく、
今は地下深く活動する第3の組織が
新たにやらかすにちがいない。

そうして、
それはまだまだ兆しも見えず、
我々一般人には予測すらつけることが
できないのです。

でも、何かしら、アンテナを
広く張り巡らせていたら、
もしかしたら、
第3の悪夢を、兆しの段階で、
食い止めることができるかもしれない。

地下鉄サリン事件は
まだまだ「歴史」に風化させては
いけないという予感は
きっとたくさんの方々が
感じておられるにちがいない。
少なくとも、村上春樹の
『アンダーグラウンド』を
熱を入れて読了した方は。

私たちの地下では
まだまだ、目に見えない
第3のアンダーグラウンドな組織が
社会に悪意を抱いて、
我々の日常を吹っ飛ばそうと
暗躍しているにちがいないからです。

こうした予測がみんな
ただのおじさんの杞憂に過ぎないのが
いちばん良いのですが、
1995年に比べ、
2025年は、正直、ますます
生き辛い世の中になってきたのは
まちがいない。
ならば、なおさら、
悪夢を育てる土壌は
「豊か」になっている。
まだまだ、私たちは一向に
安心して生きることはできない。
第3のアンダーグラウンドが
きっとどこかにいるからです。



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