見出し画像

【本を出す】本のデビューに王道なし。文庫書き下ろしという道はいかが?

本を出したいと思う方には、
長年にわたる願望があり、
どんな出版社で、
どんな媒体で「形」にしたいか?
あらかじめ、決めている要素が
色々とありますね。

その最初に来るのが、
せっかく作家デビューするなら
単行本(ハードカバーか
ソフトカバーか)で出したい!
そんな願望あったりしませんか?

是が非でも!
という場合はその道を進んで
いって欲しいですが、
必ずしも単行本デビューに
こだわらなくていいと思う方には
ちょっとしたゲリラ作戦があります。

普通、小説やビジネス書の作者は、
新人賞の募集で光るものがあったり、
ネットでの投稿で出版社から
声がかかる人が、デビューして
いくんだろうと思われてますが、
実際、それがエリートコース、
オーソドックスな道ですが、
そんな人だけでもありません。

持ち込みで熱心に電話を
かけて編集部にやってくる人が
それなりの比率でいます。
毎回、書いたものを持参し、
編集者に見せ、
何かしらアドバイスやダメだしを
されて、また数ヶ月したら
やってくる、そんな猛者がいます。

それで、これは私の知り合いの
話になりますが、彼女は
少年ジャンプでデビューすることに
こだわりが強く、
何年も持ち込みましたが、
持ち込み担当の編集者の
アドバイスがハマらず、
10代末から20代末になって
しまいました。

原因は冷静に考えたら
誰の目にも明らかでしたが、
本人だけが客観的には
自分を見られなかったのです。
それは絵柄でした。
温かく、素朴なタッチで
周りは、児童書の分野に
転向を薦めましたが、
なかなか本人としては
少年ジャンプに思い入れが強く…。

それで20代最後の年、
思いきってポプラ社に
絵本のラフを書いて持参したら
あっさり担当も決まり、
前向きに刊行を前提に
進めることになりました。

ほら、言ったでしょ!
ジャンプだけが本を出してる
訳じゃあないんだから。
絶対に児童書が向いてるんだから!と
言ってやりました(笑)。
出版が現実的になった彼女は
嬉しいやら、切ないやら
複雑な顔つきでしたが…。

ところで、文学書を愛する
小説家志望の方も、
こうしたことがあるかも
しれません。
有名な大手出版社の
立派な文学賞でデビューする!
と何年も頑張っている方は
たくさんいるでしょう。

でも、今、刊行点数から見たら、
立派な単行本より、
文庫で出すほうがメリットがあります。
それはしっかりその文庫レーベルの
棚が書店で確保されることです。
普通の単行本やKindleでは
新刊と言えども、すぐに大海に
埋もれ、見えなくなります。

それに、東野圭吾さんでも
「書き下ろし」で文庫本を
出していますね。
今は値段が高い単行本より
文庫本の方が買いやすいのです。

文庫でデビューするなら、
これまでの文学賞応募とは
全然違ったやり方で
取り組むことができます。
最初から文庫~?と
テンションが低くなるかも
しれませんが、
今の文庫&新書の戦国時代、
いつまでも古い型を好んで
立派な文学賞から
単行本デビューというスタイルに
こだわるのも、
状況や時代から見たら、
ちょっともったいないです。

『ほんのひきだし』という
サイトには、毎月の新刊文庫の
発売予定が書かれています。
毎月沢山の会社から
100冊以上の文庫本がでています。
その中で、この編集なら
持ち込みで対応されるかな?
という編集部をいくつか
ピックアップしました。

【小説】
ポプラ社・ポプラ文庫
KADOKAWA・電撃文庫
小学館・小学館文庫

【人生、自己啓発】
大和書房・だいわ文庫
青春出版社・青春文庫
PHP研究室・PHP文庫
三笠書房・知的生き方文庫

これらは、持ち込みの人を
ちゃんと対応してくれそう。
あくまで、私が出版業界にいて
感じる会社や編集部の空気による
独断と偏見ではありますが。

電話した際には、
あまり融通がきかない編集なら
スマートにかわされたりして
アポを取り付けるまで難しい
場合もありますが、
ちょっとは食い下がるぞ、
というメンタルも大切です。

最後に小話をひとつ。
あの京極夏彦さんも実は
まだデビューする前、
編集部に電話をした人です。
ある朝、午前9時、講談社の
文芸編集部に電話をして、
僕の原稿を一度読んでくれと
嘆願しましたが、
その時は朝イチだったから
編集部には新人さんしかいなく、
電話に出てくれた新人編集に、
ぐいぐいと会う約束をとりつけて
いったんだそうです。

その担当さんは
朝早くに出勤したお陰で
京極さんを見出せたのです、
それ以来、講談社の文芸編集は
一時期、みんな出勤を早めた?
なんて噂をききました(笑)。
早起きは三文の徳。
早出勤は大新人の徳。


いいなと思ったら応援しよう!