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【朝ドラ】「らんまん」はいいドラマになる!牧野富太郎だから。

まさか!?
植物学者の牧野富太郎が
朝ドラになるなんて!
植物学は地味ですよ〜。
大丈夫かな。

牧野富太郎がドラマになると知ってたら、
牧野さんに憧れてた祖父に
見せてやりたかったな~。

それにしても、牧野富太郎が
朝ドラの主演のモデルになるのかあ?
これも時代でしょうか?

確かに、最近の朝ドラは、
昭和の実力者をドラマ化し
ヒットさせてきましたね。
校歌や応援歌の作曲家や、
昭和の女性喜劇王が続いてきました。
この手法があればこそ、
牧野富太郎のドラマ化も
可能になったんでしょう。

牧野富太郎は何がスゴいって、
まだ日本に植物学が根づく前、
科目や種を分類していく植物学の
本領があまり知られてない時代に、
小学校中退の身ながら、
成し遂げていったことですね。

日本植物学の父。
彼が東京帝国大学を出るような
エリートな人生だったなら、
また話は違ったかもしれません。

どういう訳か、
博物学や昆虫学、植物学では、
外野の天才がその道を耕すことが
多いですよね。
これはその学問の特徴と
何か関係があるのかな。
昆虫学のファーブルも、
粘菌学の南方熊楠も、
決してエリートではなかったでしょう。
いち民間の研究者でした。

そんな孤立で辛い境遇を
夢のために乗り越えていく姿は
ドラマの構造としては
とてもドラマティックになること、
まちがいなし。

私は祖父の本棚には
古くてボロボロになった
牧野富太郎著作集が
何冊かあったのを記憶しています。
祖父も、動物が好きで
獣医学科に入学したものの、
肋膜炎になって、大学中退。
牧野さんの人生には感情移入を
しやすかったのでしょう。
牧野富太郎は、ただ運もよかった。
色んな経緯で東大でも研究できた。

それに比べて、
ライバルの南方熊楠は、
ずっと在野で苦労しました。
二人はよきライバルでしたが、
熊楠は何せ、下品な逸話が多い(笑)。
昭和天皇と南紀の道を散策して、
イヌふぐり(きん玉)の花を見て、
天皇が、あれは何の花かと尋ねたら、
熊楠は、犬の金たまですよ、
と答えて、天皇を笑わせたほど。
私はこの逸話は好きなんですが、
下品を嫌った祖父は熊楠を嫌い、
牧野富太郎を好んだ。

子供の頃の私は、
牧野富太郎については
そんな印象しかないのですが、
とにかく植物学や博物学は
厳密な分類がメインの仕事になる。
ドラマとしては
画面が地味になるでしょう。
そこをどうドラマ制作部は
乗り越えるつもりなんだろう?
見どころですね。

牧野富太郎が朝ドラにできるなら、
小津安二郎・映画監督や
北里柴三郎・博士や、
ホンダの本田宗一郎、
落語の志ん生、
演歌の南春夫などなど、
昭和には、まだまだスターが
いっぱいいますね。

そうして、その世代は
必ず戦争体験がついてまわる。
戦場へ行ったり、
慰問にいったり、
内地で兵器工場を手伝ったり、
大切な人を失ったり、
シベリアに抑留されたり、
ドラマティックな要素が
必ず出てくるんですよね。

それは昭和前半の世代が
みな当たり前に持っていて、
しかも、他世代の者にはないクダリ。
戦争のクダリを喜んでる訳では
ないのですが、人間を描く時に
大きな山場になるのはまちがいない。

朝ドラ制作班は、
実に巧みなドラマ作りの鉱脈を
発見しましたねえ…。

当分は、隠れた昭和の偉人という
コンテンツでいっぱいだ。
題材には困らないでしょう。

祖父が生きていたらなあ、
観せてあげたかったな、
牧野富太郎ドラマ。







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