ウクライナ緊急募金から読み解くファンドレイジングのポイント
~ソーシャルセクターの成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~
2022/2/24、ロシアによるウクライナ侵攻が起こりました。この侵攻におけるNGO/NPOの募金活動を読み解くことで、社会が少しでも良い方向へ向かうヒントが得らないかと思い、まとめました。
1.募金開始の告知スピードが影響する
ウクライナ侵攻の翌日2/25から3/10までの14日間、NGO/NPOの募金サイトの公開と支援者メールについてまとめました。
まず、25日(侵攻1日後)に5団体:A~Eがwebサイトまたは支援者へのメールを通じたファンドレイジングを開始。次いで侵攻4~6日後に7団体(F~L)が、13~14日ごに2団体(MとN)が開始しました。
ここで着目したいのは、募集開始日時の差です。
以下の図表②のように、あるNGOでアンケートを行ったところ、支援者の80%は「他団体への寄付経験がある」という結果でした。
支援者視点では「数ある団体のなかの一つ」という認識であり、社会的な関心が強く集まる出来事においては、いち早く情報を発信していた団体へ寄付する可能性があると考えられます。
2.募金開始のメール案内が影響する
先ほどは公開日時について触れましたが、メールでのコミュニケーションについて見てみます。
以下の図表では、CとG団体はwebサイトでの告知をスピーディに行うものの、支援者へのメール依頼まで期間が空いております。この空白期間が、ファンドレイジングに影響することが考えられます。
この空白期間については、以下の図表を見てみましょう。
空白期間のあったNGOにおける寄付者の新規既存の割合を示しており、既存支援者の割合が少ない結果となりました。
また、ある寄付者の方と話した際にも
と述べられていました。
次のグラフは、新規・既存支援者の平均単価を比較したものです。
新規と既存との差は2倍超とあり、この背景の一つには高額寄付者の存在があります。いち早くwebサイトなどのパブリックな媒体で公開するだけでなく、既存の支援者へ発信するメールのようなクローズドなコミュニケーションは高額寄付に繋がる点でも大切だと言えます。
3.まとめ
ここまでをまとめると、
もし、公開が遅くなったときはどうしたらよいのか。模範例が、下から読み取れます。
既存の支援者へのメールに重点を置き、自団体への寄付をしっかりとお願いすることが一つの対応方法として考えられます。
~ソーシャルセクターの成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~