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新規の方が大口寄付をするには

~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

〈質問〉
今まで接点のないよう新規の方から大口の寄付を頂くには、どうしたら良いのでしょうか。
(すでに関係性のある「小口の寄付者が大口寄付するには」はこちら

〈回答〉
基本的には「偶然」となります。他人の財布の中身はわからず、彼らの寄付したい気持ちが湧くタイミングに依るからです。しかしながら、その「偶然」つまりはタイミングをいかく多く創れるか、その準備で変わってくると思います。

海外では”wealth screenings”といった自団体のデータベース内にある支援者に対して、株や不動産などの保有情報を加味して潜在的な富裕層を抽出するソリューションや、そもそも支援者情報が蓄積されたデータベースを提供していたります。

幸か不幸か日本ではこうしたソリューションがないため、自分たちで大口見込み層と関係を作っていく形になります。

1.まずは関係を構築する

古くから使われており、今だに効果のある方法は、ダイレクトメッセージです。例えば著名な経営者へ、あるNPO代表が熱意を込めた手紙を送ったところ、後日なんと返信があり、会って話したところ億単位の寄付に繋がった、ということがありました。直接コンタクトをとることで寄付に繋がった事例は、実は枚挙にいとまがありません。ただ一方で、コンタクトが取れなかったり、心に響かなかったりすることも多々あり、継続するのは大変でもあります。

もう一つの方法はネットワークを構築することです。例えば、アジア・アフリカでの識字率向上を目的としたNPO「ルーム・トゥ・リード」は、積極的・戦略的に有力者との接点をつくり、彼らを巻き込んで、多くの大口見込み層とのネットワークを構築しました。詳しくは『マイクロソフトでは出会えなかった転職 僕はこうして社会起業家になった』(著 ジョン・ウッド)に書かれているので、参考になると思います。

このネットワークの面白いところは、それ自体がブランド力を持つことです。例えばそのネットワークに入ることで、自分自身のステータスが上がったと思えたり、人脈が広がる期待感を抱いて、自然と増えていることがあります。

2.組織の力を上げておく

上記のような直接コンタクトやネットワークを成功させるには、実は組織・活動・人としての魅力が不可欠です。

どんなに心のこもった手紙でも、活動や組織の実態がスカスカであれば、また寄付の使い道が明確でなければ、寄付を思い止まってしまいます。例えば、最近では寄付に際してインパクト評価を求めたという話も聞きます。

ネットワークにおいては、特に窓口になる担当者の対応スキルも大切です。海外では大口寄付専門のファンドレイザーがいるように、しっかりとしたリソースやノウハウが求められています。ただし、そのなかでも寄付したいと思える態度やメッセージを発信するなど、普段のファンドレイジングがしっかししているかがカギになります。

このような準備と行動をすることで、大口寄付という偶然を引き寄せることができると思います。

~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~

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