タイ料理をてっぺんから
高市早苗大臣の言葉『日本をもう一度世界のてっぺんに』では無いですが僕はタイ料理クワンチャイを始めるにあたり、タイ料理をてっぺんから学ぼうとマンダリンオリエンタルホテルの料理学校に学びに行きました。日本でも同じですが料理は居酒屋料理、家庭料理から懐石料理まで様々あります。
タイ料理も様々です。日本に来ているコックさんの殆どは屋台料理出身です。一部に最大規模の料理学校デユシタニカレッジ出身のコックさんもいますが、トップに君臨するマンダリンオリエンタルで料理を学んだコックさんにお目にかかったことはありません。基礎を学んだコックさんは少数です。
日本料理では見習いのコックさんは数年にわたり海老の背わた取り等、基本を徹底して仕込まれますが、タイでは野菜やフルーツのカービングを数年間仕込まれます。ですからタイ人コックさんの経歴を見分ける場合、屋台上がりか星付のホテル上がりか選別するにはカービング能力を観れば判ります。
また素材も大きく異なります。残念ながらココナッツミルクもタイの高級ホテルでは取れたての素材が使えますが日本では缶入りの加熱済みしか入手できません。またココナッツシュガーも様々です。高級なものは300gで1万円以上しますが僕達が業務用で使用するのは精々500円位で全く異なります。
タイ料理はタイの貧富の差が極端に大きいのと同じくらい、素材の新鮮さや純度が大きく異なります。安い素材と安い調味料と安い人件費で作れば50バーツ200円。良い素材と純度の高い天然調味料と洗練されたコックさん数人で調理すれば500バーツ2000円となる事は当たり前の事なのです。
贅沢を言えばきりがありません。しかしタイ料理の本来の特徴は、天然発酵調味料とハーブを使った健康的な料理にあります。目先の盛りつけの綺麗さや大きささよりも身体に優しい所にあります。コックさんが別に屋台上がりでカービングが下手くそでも基本的なタイ料理を出せる事が大切です。
クワンチャイでは奇を衒うことなく、本道を外れることなく地道に、美味しく身体に優しいタイ料理をネットでも店舗でも提供して参ります。一見、同じに見えても本道から外れた、味が濃いだけの全く違うタイ料理を提供している店舗も多いので要注意です。てっぺん(頂上)は一つしかありません。