NHK党 立花孝志とは何者か?
今回の兵庫県知事選挙で立候補している立花孝志氏は良い悪いは別にして県知事選挙に影響を与えている。ガーシー事件やその他で悪印象しかなかったが、立花孝志氏は19年間、NHKで勤務し、週刊文春に内部告発し「NHKから国民を守る党」党首であり「NHKをぶっ壊す」と標榜し、それなりの支援者を持っている。僕もNHK元会長・島桂次氏の秘書として10年以上働きNHKに対する愛情と問題意識を持っているので彼の考えと生き方に私見を述べる。
高卒の苦労人である立花氏は一種の天才である。パチプロで生活するにはパチンコ台と店の特徴を分析して指先と頭脳で勝負する。これは一種の特殊技能である。僕も基本的には博打は嫌いだが中学校時代にスマートボールで稼いだり、トランプ新大統領のカジノでアメリカ時代に荒稼ぎした事もある。
NHK受信料不払いキャンペーンも、今回の知事になりたくない県知事選出馬も法律の裏と隙間を突くグレイゾーン狙いの奇策でもあり異能とも言える。
今回の選挙で落選する事も含めて15回の地方、国政選挙に出て3回の当選を果たした根性と自己顕示欲には、自由人として独特の処世観があると考える。僕はこのドンキホーテ的生き方は真似できない。国民民主玉木代表に対して「甲斐性のある男性なら不倫も可」とする不倫を擁護する発言も倫理的には許されないが法律的には許されるという立花氏独特の道徳観を感じる。苦しい庶民の立場から、巨大なNHKに対して弱者として戦う戦法でもある。
NHKの改革について公共放送(政治、気象、地方自治)以外の放送はスクランブルをかけて有償とする考えは全く同感だ。またNHKの受信料支払い者は既に国民の半分を切っているが、ホテル等の支払いも含めて6割程度という事も真実だ。既に英国国営放送BBCは民間受信料支払いは35%を切っており収益構造を作る為にジャニーズ問題を取り上げたり、独自コンテンツを作成したりと中々逞しいがコスト意識、倫理観ゼロのNHKには到底無理だろう。
斉藤元彦前兵庫県知事が社会常識上で発言出来なかった、前播磨県民局長の10名前後の女性職員との度を超えた不倫について、世間に発表した事は、その発表の倫理性については疑問が残る。しかしこの前県民局長の自○を斉藤知事側が公表できない事を奇貨として県議会委議員が苛烈な斉藤元彦排斥に動いた事は決してフェアーと言えない。この不条理を公表した劇薬 立花孝志と彼を担ぎ出した人物は今回に限り奇策とはいえ褒められるべきだろう。
ドンキホーテ立花孝志 は社会常識や理念に背を向けたダークヒーローだ。
全て立花孝志の生き方を許容する事無く、是是非非で彼の異常な自己顕示欲と一般社会人と異なる倫理観を持つ爆弾発言を慎重に選別しよう。「NHKから国民を守る党」等の法律すれすれのネーミングの才能も渡辺エージェンシー所属のタレントとしての発信力、影響力は少なからずある。政治制度の隙間を突いて儲ける彼の姿勢は感心しないが、正義感と義侠心は容認したい。