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三洋電機は創業者井植歳男の先見性で一時期は時代の寵児だった。カドニカ電池、太陽光発電等、充電式ゴルフカートは今の世界一の大富豪イーロンマスクの事業の原点を彷彿とさせる。一方松下電器は別名マネシタデンキと呼ばれ、模倣と堅実な経営で生き残って来た。正にウサギと亀の戦いだった。

三洋電機やダイエーそして今のセブンイレブンはどうして駄目になったのか。僕の乏しい経験から述べようと思う。僕も心して原点から時代に合わせて事業を再構築中だ。先ず会社としての規範である。取引先との癒着と袖の下は厳禁だ。三洋電機と松下(現パナソニック)との収益力の大きな差。

それは会社が儲からないで、労働者が楽をして儲かる仕組みは最悪だという事だ。昔テニススクールをしている時にスポーツ用品のデイスカウンターをスポーツボックスという名前で展開している時。テニスラケットとボールを台湾に仕入に行った。そこでイトーヨーカ堂とダイエーバイヤーと遭遇。

台湾メーカーは3000円小売りのテニスラケットを1000本買うと1200円で出すという。イトーヨーカ堂バイヤーは了解。ダイエーのパシフィックスポーツバイヤーは1400円で了解するが200円は別口座に指定。所謂裏金だ。僕は勿論700本で1200円にと要求し了解。会社が儲けるか個人が儲けるかの差。

結局イトーヨーカ堂はセブンイレブンとして残りダイエーは消滅した。三洋も同じ袖の下と饗応天国だった。パナソニックも同じで個人より会社が儲ける。ハードワークの上に会社の利益が出る。反会社的な動きが糾弾されず、ぬるま湯体質は糖尿病の様に回復不可能で会社を滅ぼす。判り易い法則だ。  

その勝ち組だったセブンイレブンは壊滅的に客離れが起こって居る。広い駐車場は僕もよく利用させて頂いているが所謂無賃駐車だ。理由は鈴木敏文社長を追い出した創業家と現井坂社長の現場を知らない経営にある。物価高で苦しい生活なのに上げ底の弁当。鈴木敏文時代と比べ自社製品の品質劣化。

現場を知らない、目先の利益優先をするから、この様な惨状になる。一方ライバルのローソンやファミマは逆張りで増量作戦展開中だから深刻だ。マクドナルドの実質創業者レイクロックの『成功はゴミ箱の中に』が成功の真理だ。ライバル店の残飯をゴミ箱の中身を調べ地を這う様な研究をする根性。

僕は、ビッグマックも好きだが、マクドの売りはフライドポテトだと断言する。今は退任したが日本マクドナルドのカサノバ社長がアメリカのジャガイモの収穫量が激減した時に、一時期フライドポテトの量を減らし追加を中止してマクドの売り上げが激減した。3か月後に戻して売り上げがⅴ字回復。

ダイエーの創業者中内功さんは偉かったが最後は現場から乖離してしまった。ドムドムなんぞには行っていないだろう。ホテルからコックを呼び販売商品とは違う豪華料理を堪能。一方イトーヨーカ堂の伊藤雅俊創業者は自分で車を運転してデニーズで夫婦で食事をされていた。僕もよく見かけた。

三洋電機消滅後に何人かの同僚や後輩と合ったことがある。残念ながら技術者以外は裏リベートに染まった甘えの体質で殆ど使い物にならない。お客様の視点に立つ現場主義と会社愛に基ずく自分への戒めを持たない経営者やそれを見習う社員では会社は駄目になる。タイ人コックに厳重に言うのだが。

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