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インド・ネパール料理店 激増の闇
僕達タイ料理店経営者にとって、最近のインド・ネパール料理店の激増の理由が中々わからなかった。現在、日本のタイ料理店 約2000店舗 インドネパール料理店 約5000店舗と最近激増してタイ料理店数の2.5倍もある。しかしカレー好きの僕が関西で数十店舗入ったインド・ネパール料理店で僕以外のお客様が食事をされていた事は稀だ。たまたまお客さんが少ないのか、僕が貧乏神なのか判らなかったが暫く雇用したインド人R君の話で判った。
先ず、インドはご存じの様にカースト制度で金持ちは日本以上に金持ちだ。そして親族の繋がりも強く、集金力も強い。早世してしまったが、神戸青年会議所の理事長だったキラン君宅にはタイ料理を届けたり、一緒に食事に行った仲だった。今やインド人の平均年収はほぼ日本人と同じになっている。一方ネパール人は貧しい。平均年収50万円。貧しい農村部では30万円位だ。
ネパール人は日本に潜り込んで金儲けしようと必死だ。そこに闇がある。
真面目にレストランの仕事をして、お客様を集めて儲けているインド人もいる。しかしR君の様なVISAビジネスを店を使って行っている人の方が多いと感じる。先ず居抜き300万円で安い飲食店を購入。保健所の営業許可を取るのと合わせてネパール人コックABC3名の経歴を詐称して入国管理局に1年の労働VISAを申請、VISA取得をする。次のVISA更新は3年VISAとなる訳だ。ネパール人も残りの3年で300万円くらい稼いで国に帰れば家が建つ訳だ。
ABC3名から日本でのVISA取得手数料として各人から100万円計300万円を入国時にRが受領。パスポートは預かる。ABCに実際支払う給与は労基法無視の月10万円。そして日本に来てから3カ月くらいで閉店してもOK。継続の場合Aは働かせてBCは工事現場や産廃などの汚れ仕事で月40万円くらい稼がせてRの懐にBCの差額月60万円が入る。日本の入国管理局も多忙でABCの勤務当初は店に見に行くこともあるがその後は監督するだけの人員が不足。不法就労がまかり通ってしまう。社宅とは名ばかりで狭い部屋に雑魚寝となる。
アメリカでこんな事をしたらR君は即豚箱行だが、日本では入管の審査とVISA更新は厳格だが、VISA取得後の勤務状況を調べる余裕も人員も居ない。この怪しい不法派遣ビジネスの隠れ蓑になって居るのがインド・ネパール料理店の激増の原因だ。R君は店を畳んだんだがブローカーの様な仕事をして生計を立てている狭間に、僕の店に潜り込んでタイ人を使った金儲けのネタ探しをしたんだろうが、タイ人は既に母国でも高給取りでR君は諦め退社。
この様な怪しいインド人オーナーに店舗を貸す家主も、不法就労の共犯だが、日本ではお咎めなしだ。僕はインドカレーが好きだ。しかし飲食店を出汁にして日本で暗躍しているインド人不法ブローカーによって、美味しくて清潔なインドカレーをお客様に提供する事を放棄している店は許せない。日本の入国管理局の人々は、日夜審査で忙殺されている。今後もっと増加する正規の外国人労働者を守る為にも、入国管理局の査察スタッフも大幅に強化して真っ当なインド・ネパール料理店経営者や労働者を守ってもらいたい。