シェア
junwajda
2019年11月5日 12:03
夜、暗いピントガラスにむかって、冠布をかぶる。外界よりなお暗い囲われた空間のなかで、ようやく木の輪郭を見つけ出す。 冠布の外の人たちにとって、僕のしていることは不可解に違いない。雑踏の中で黒い布をかぶって、いまどき写真館でも見ない蛇腹のカメラで街路樹にむかっているのだから。 「何してるんですかー」、と当然よく話しかけられる。何気ない質問。酔っ払いの絡み。職務質問。激励、苦情、はたまた怪しげな