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猫を助ける会社が、無事に3歳になりまして。

今日が決算日であることに、朝イチで届いた税理士からの連絡で気づいた。

そうか、3年経ったのか。

3年も経ってしまったのか、というほうが本音かもしれない。

いま読み返しても新鮮なこの記事から3年。ぼくはなにが変わっただろうか?なにを変えられただろうか?

”ぼく”から”ぼくら”になった

2024年4月新卒入社の石井寧(しずく)

大きな変化といえば、社員が増えたこと。まだたったの2人だけど、毎日一緒に頑張れる仲間がいることは、存外心強く、何倍ものエネルギーをもらうことを学びました。

インターンとして2年ほど働いてくれてたので、いまさら新鮮味ってことはないんだけど、やっぱり互いの覚悟が変わることは痛いほど感じてる。

背筋が伸びる感じ。責任感というか、危機感というか、ちょっとでも気を抜くと一気に転がり落ちそうな、そんなゾクゾクする感覚。ネガティブな感情ではなくて、「あぁやってやるぜ」っていう、逆に燃えるんだよね。

そして、最近は彼女に背中を預けて、ぼくは経営とかマーケットのこととか、答えがみえない問いに向き合う時間がすごく増えました。まだまだ小さな会社だから偉ぶるつもりはないけれど、黛が前で石井が後ろ。いいチームプレーができてるんじゃないかな。

石井はたぶん、おとなしいといわれる性格。でもそのストイックさと学習能力の高さは、相当光るものがあると確信しています。だから、彼女が100%のパフォーマンスを発揮できる環境を、ぼくが整えなきゃ。それがきっと、猫と人にとって大切な投資になると信じてるので。

ネコノートの成長

猫のお給料の累計額が100万円を突破しました(2024年6月)

わかりやすいところでいえば、これ。毎月コツコツ増やし続けてきた猫のお給料が、2024年6月に100万円を突破しました。

金額だけでみれば決して大きくはないけれど、重要なのはこのお金が生み出された仕組みだから。

社名の由来の一つ目に掲げている、「"手を取り合っていい"自続する文化」は、19世紀の教育実践家ペスタロッチの考えに基づいて設定しています。

「民は施し物によっては救済されない。民自身が自らを助け、自立して人間らしい生活をしていくのに必要な能力や手段を身につけられるように援助してやるとき、初めて民を真に救うことになるのである。」(ペスタロッチ 1771)※一部改変

200年前にこう考えた人々によって、現在の義務教育に通ずる制度が生み出されました。

ぼくは、これを保護猫業界でやりたい。そのための、ネコノート。

でもそれには、道半ばもいいところ。

ネコノートのさらなる成長

シードの資金調達が、9月にクロージングしました。猫のために、猫を愛する人たちのために、ネコノートをもっと成長させていきます。(2年以上のお付き合いになるtalikiさんにもご出資いただきました。ありがとうございます。)

まずはPMFを目指し、様々な出会いに飛び込む。ボロクソにいわれ、「わかってねえな」と言われた言葉をそのまま(心で)叫び返し、わからせるためにパソコンに向かい直す日々です。

「猫を商売道具にしてる」「そんなんでビジネスになるわけない」「で、本業はなんですか?」いろんなことを言われてきましたが、最近は受け取り方がちょっと変わってきました。

(話が通じない人はさておき)「わかってねえな」と言ってくれる人には、わかってもらわないとはじまらないということ。それはなにも、説明が上手になることじゃなくて、実力でぶん殴るほうが早い場合のほうが多いこともわかってきた。

ネコノートの場合はまだまだひよっこなので、いわゆる「トラクション」と呼ばれる実績はあまり重要視されない。一方で、「可能性」はかなりシビアにみられるんです。起業家としての熱量や能力、市場の大きさや成長率、その裏付けとなる社会背景など、いままで向き合ってこなかった目にみえないものを、みようとする日々です。(だから、背中を預けられる人がいるのは心強い)

築いてきた業界内での立場

neconoteがVisionに掲げている「猫と人がいっしょに暮らせる社会」は、一本槍じゃ実現できない。ネコノートだけじゃ、猫の社会は変えられない。

だから、2本も3本も槍を準備して、いろんな角度から突き崩していかないといけない。当然、neconoteだけの力では足りないので、多くの仲間と"手を取り合う"ことをはじめています。

これまでAmazon、ネスレ、カインズなど様々な企業のCSRプロジェクトに参画してきましたが、今年7月には滝川クリステルさんが代表理事を務める財団「一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル」の事務局に所属することになりました。

neconoteだけでは、手を取り合えない方々が多くいるこの社会で、こうした立場を任せていただけることに感謝しています。neconoteはあくまで黒子として、当財団が保有するアセットをフル活用し、動物と人とが生きやすい社会をつくっていきます。

スタートアップとしては、自社のプロダクトに集中しないことはリスクとされるかもしれないけど、社会起業家としては積極的に取るべきアクションだと思ってる。一本槍に旗を掲げることは必要条件だけど、十分条件にはなり得ない。社会はそんなにシンプルじゃないし、3年前のぼくが認識していたよりもずっとウェットで、どこまでいっても人間が為すことなので。


大きな岩を押し上げ続ける

PMF、採用、マネジメント、調達、プライベート。

毎日毎日、やることは山積み。こんなに恵まれてることってないよね。どんなにクリアしても、次々と新しい課題が降ってきて、それを解くのがとにかく楽しくて。そしてそれが、猫や猫を愛する人、ぼくの大切な人たちのためになってる手触り感があるから、がんばれるしたのしいんだよね。

4期目は、大きく動きます。動かします。細かいことはここではいえないけれど、とにかく手数を増やしていく。選り好みなんてせず、当たっていく。

靴が破れ泥に塗れようとも、手にタコができ血まみれになろうと、足腰が限界を迎えようと、この巨岩を押し上げた先に、大きな波が来ることを信じて。気持ちと口角だけは、あげていきたいね。

保護猫の可能性、彼らを愛する人の可能性を信じてる。

3年経っても変わらないものもある。むしろ、3年経ってより確信めいてきたこと。

「保護猫の可能性、彼らを愛する人の可能性を信じてる。」

代替可能でスケーラビリティのある綺麗なビジネスモデルじゃない。全国200余の保護猫団体は、スタートアップという立場から見れば少ないかもしれない。

それでも、保護猫でしかできないこと、保護猫だからできること、猫を愛し保護猫活動に邁進する彼女らだからできること、彼女らの価値を、信じてやまないんですよね。

当事者として、自らの証明として、今年も走ります。猫らしく、ぼくららしく。

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