見出し画像

休眠日記2020年6月18日・いいだ人形劇編

季節は春から梅雨へ。
飯田は信州の中京圏からの玄関口。県庁のある長野市からは一番遠い県域。
飯田市には300年余の歴史を有する人形浄瑠璃があり、それを礎として世界的にも知られる「いいだ人形劇フェスタ」があります。人形劇は飯田を代表する市民文化。365日人形劇が息づくまちを目指して、「特定非営利活動法人いいだ人形劇センター」が2013年に誕生しました。

その「特定非営利活動法人いいだ人形劇センター」の休眠預金を活用した事業は、人形劇の創作を通じて引きこもりや障害を抱えたこども若者たちと地域の高齢者や様々な方々が一緒になって作る居場所づくり。

事業の骨子は
人形劇という文化財の持つ特性を生かしたコミュニティを基盤とし、年齢や障害の有無に関わらず、人形劇に関心を持つ誰もがここに集まり、上演を目指し、制作に打ち込める場をつくる。
①若者たちが寄り添い、人形劇の制作から上演までの活動を実施。
②高齢者たちが集まり、人形を作ったり、稽古を重ねたり、観客の前で上演を行う。
③様々な障害や生きづらさを感じる人たちが集まり、人形劇を制作・上演することで充実感が持てるよう支援する。
④空き民家を借り上げることで、まちの賑わいを創出する。

休眠預金活用で設定したる優先すべき社会の諸課題には7つのカテゴリーがあるのですが、飯田人形劇センターは
② 日常生活や成長に困難を抱える子どもと若者の育成支援
③ 社会的課題の解決を担う若者の能力開発支援
⑤ 社会的孤立や差別の解消に向けた支援
を対象にしています。

飯田人形劇センターの方々のいる川本喜八郎人形美術館に伺いました。
3階の展示室の入り口は黒い自動扉。入ると闇の中から三国志の人形たちが迎えてくれます。
研修室でセンターの方々と、事業計画、評価計画の見直し、意見交換などをしました。
人形劇をテーマにした居場所は飯田駅の直ぐ近くに空き民家を見つけられたとのこと。
課題は、人形劇に関しては専門家のメンバーが、どのように困難を抱えたこども若者たちとどうつながるのか、どう支援を行うのか。
南信州地域のこども若者支援、引きこもり等の支援をする団体と連携していくことを確認しました。

人形劇を通してつながる地域の居場所づくり。水引のように多様な色がつながり広がっていく。そんな素敵な事業になっていく予感がします。

(写真は飯田市がG20会合の閣僚らに贈った水引の胸章)