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休眠日記 another story 2021年6月5日・episode第二期緊急助成〜その2〜

休眠預金等活用法による新型コロナウイルス対応緊急支援助成第2期は、先月、2月12日(金)に第三者審査会を開催し、10の事業が決定、先月から順次事業が開始されています。

4月2日に5つの事業をご紹介しました。時間があいてしまいましたが、残りの5事業を紹介します。まず、白馬から

●特定非営利活動法人 白馬の風
事業名:コロナ禍での新しい就労、配食支援事業
―誰一人取り残さずつながる白馬へ―
白馬村:助成額: 2,999,989円 総事業費5,303,989円
村内においてコロナの状況が深刻になる中、困っている方々に向けて、新規事業(生活困窮者向けの弁当販売)を立ち上げ、デイサービス利用者、在宅要介護者及びその家族を対象とした雇用の拡大を目指す。

白馬の風さんは、白馬村、小谷村、池田、鬼無里村の認知症高齢者宅をボランティアで訪問し、コミュニケーション目的の温熱療法を始めたのがスタート。その後、白馬村の一部補助を受けて、定員10名の小規模通所介護事業所を開設。それから8年、現在は地域密着型通所介護事業所として白馬村、小谷村の地域の皆様に密着した事業を展開しています。今回の配食事業につながる、事業所内での手作り昼食を週6日提供していて、昼食を楽しみに利用している方も多数いらっしゃるとのこと。
温熱療法という、それこそ温かな高齢者支援が支持を集めて8年間事業を行ってきたが、今のコロナの状況において、白馬地域の観光業(飲食店、宿泊業など)の大きな景気低迷があり、並行して要介護者を抱える家族がコロナ感染のリスクにより、各家庭の介護負担が増えていたり、リスクを減らすため仕事を辞めざるを得ない方が増え、白馬村内の配食サービス業者の撤退もあり、地域全体の生活が困惑、困窮している現状把握があります。
この事業では、白馬の風さんが約9年やってきたデイサービスを利用している方及びその家族、その他の在宅要介護者およびその家族のコロナによる外部就労が難しくなった方々を中心の対象に、配食事業を立ち上げ、そこへの参加、就労および生活困窮者への配食の実施していきます。

様々な困難を抱えている方、支える家族に向けて、サービスを作り出すとともに、就労を生み出す。この事業は、2つの対象への支援を一つの事業で生み出していくというチャンレンジで、創造的モデルを生み出す事業に期待しています。

●おぶせっこ応援隊 子ども達の発達・学習・地域サポート事業
―みんなのびのびを育むプロジェクト―
長野県(小布施町) 助成額:3,000,000円  総事業費:3,081,407円
事業概要
感染症対策に配慮した子ども食堂、小中学生向け学習支援及び子育て支援の実施。

「おぶせっこ応援隊」は、新型コロナウイルス緊急支援助成第1期で問い合わせがありました。
その問い合わせは小布施町の支援員をしている若い女性からでした。子ども食堂をやってきたが、コロナ禍で開催ができず、そこで支援していた子育て・発達・療育面で課題を抱えている子ども達や保護者がサポートを受けられていない、という現状をお話くださいました。
子ども食堂というと、いわゆる子どもの貧困対応、孤立を防ぐ、といった活動と受け取られますが、「おぶせっこ応援隊」では、定期的に医療機関やサポート機関の支援を受けていた子ども達や保護者がコロナ禍でサポートしてくれる医療機関などへ行けない、という実態を教えてくれました。

一回目の募集では申請がなかったので、2回めの公募ではこちらから連絡を入れて相談をしながら申請され事業が決まりました。
その内容は、コロナウイルス感染症に伴い、特に子育て・発達・療育面でサポートを受けられていない子ども達や保護者に対するフォローを中心に、従来の「おぶせっこ食堂」の活動を細分化し、①子育て発達・療育面へのサポート②学習面へのサポート③社会参加面へのサポートに分けて個々の活動を充実させていく。コロナウイルスの感染予防やより手厚い支援を提供するため、活動内容を細分化し、活動回数が増すことや未就学児~大学生や保護者、近隣の高齢者とより多くのコミュティーへのサポートが可能となり、その中でそれぞれが生き生きと個人の能力を発揮、お互いに支えあいのできる場を実現する。

というものです。行政支援、地域で課題として認知されていない案件を見つけ、それを解決しようとする活動はまさに休眠預金の活用にふさわしい事業だと思います。
困難を抱えながら声を上げることのできない人々、苦しさの声が届かない人々へ支援が届くような事業をしっかり応援したいです。

●NPO法人WHITE CANVAS
重度障害者の生き生き安全に活動する場作り
―感染拡大防止対策改修工事等―
中信・大北地域(安曇野市) 助成額:3,000,000円  掃除事業費:3,380,554円
事業概要
感染症対策に配慮した重度障がい者受け入れ施設の改修工事。

WHITE CANVASさんは、2020 年 2 月に就労に難しい人達の日中の活動(やりがいのある作業所が少ない)を支援したい、と法人を立ち上げました。
利用者の中には、短期間で難しい模様の織物を習得した人もいらっしゃる。 コロナ禍で入院もできない。安全が確保できないと外に出られない。より困難な人たちを受け入れる場所になりたい。とぴう思いで申請されたと聞きました。
審査会では、設立して日が浅いのと、事業費の殆どが工事費であることが懸念されました。
魅力はスタッフの方々が、専門の知識を持つ人(医師・看護師・作業療法士・美術大学卒で織物・木工・工芸専門等)が揃っていて、その活動をよりしっかりしていきたい、という決意表明でした。重度障害者支援の就労支援と生活支援の制度の間を埋めるグレーゾーンの支援は重要で、重度の障害者を受け入れる、しかもやりがいのある作業場が少ない現在において、講師陣の
充実等で利用者が外に行きたいと思う居場所作りを目指している。特に、単なり作業でなく、アート作品を作ったり、芸術活動を通じて、自己充実感の向上、社会参加を目指していく活動に希望を感じています。


●一般社団法人長野県ひとり親家庭等福祉連合会
ひとり親家庭総合相談窓口設置事業
長野県内(伊那市) 助成額:3,000,000円
事業概要
ひとり親家庭の親子の身近な相談窓口として、相談しやすい相談支援の人材の育成と相談支援の環境整備事業。

リーダーの方は飯田での信州こどもカフェ学習支援や南信州こども応援プラットフォームでもお世話になっている。
全国組織でもあり、県の受託事業で始まった組織。
ひとり親家庭が児童養護手当に頼らず生活できるようセミナーや、親子で参加できる講座を実施。 平成 27 年から学習支援を開始 している。
ひとり親家庭の就労支援も行っている。

業務は非常勤スタッフ、ボランティアで行い、県の支援も薄くなっているとのことで組織基盤を固める課題があると感じた。
学習支援の経験が長く、成功事例もが数多くある。
総括責任者はピアカウンセリングの資格があり経験値が高く、しっかりとした経験の中と資格、経験のある人材(社会福祉士、社労士、ファイナンシャルプランナー等) で、寄り添った相談業務が期待できる。
息長く続けている学習支援では教育学部の生徒や飯田高校生がボランティアにいる。 
この資金で、常勤スタッフの確保をして、ぜひ再び経済的にも厳しいひとり親の方々への支援を強くして欲しいと願っています。

●企業組合 労協ながの
子どもも親も街も元気になる居場所・温泉寺
諏訪市(長野市) 助成額:2,994,200円  総事業費:3,204,200円
事業概要
配食サービスとしての子ども食堂の実施、高齢者向け訪問販売の実施。

労働者協同組合として活動する労協ながのさんは、県下で積極的に子ども食堂を運営している。その動きの中で、葬儀以外での利用で地域に貢献したいとの声を受けて、温泉寺(諏訪市湯の脇)を拠点として 「子ども食堂」をスタートしたが、新型コロナの影響で活動を自粛、宅配に切り替えて実施しているがこの状況を打開したいと申請されたとお聞きした。

内容は、配食サービスとしての子ども食堂の実施、高齢者向け 訪問販売の実施など多様な活動を展開。
継続事業のコロナ対策が主な予算であり、また商店街など地域との協力関係もあり、協同組合らしい地域の活動のさらなる発展を期待しています。