ストーリーとしての競争戦略 #9

 ストーリーは、人に感動をもたらすことができるので、一番頭に残りやすいものです。優れた戦略にはストーリーがあり、知ってしまったら思わず人に話したくなるような、面白いストーリーがある戦略こそ素晴らしい。

成功し続けている企業には、

『一見して非合理を部分的に戦略に盛り込んでいること』にあるとういことです。

この本は、有名な企業がどのように『ストーリー(物語)』を経営戦略にとりこんでいるかが説明されており、特に印象に残ったのは、いつも使わせてもらっているスタバの事例でした。事例紹介はポイントの欄でご紹介します。

 ポイントは以下3点です。

 ポイント① 競合他社との違い作りが必要である

 ポイント② 長期利益につながるストーリー作りが必要である

 ポイント③ 優れた戦略は非合理性のポイントが必要である


ポイント① 競合他社との違い作りが必要である

 事例:星野リゾートの戦略(トレードオフの考え方)

 日本の『おもてなし』と外資系ホテルの『サービス』について同様ではないかという問いについて、これが、日本のおもてなしだ!とスッキリする回答をされています。

・外資系のホテルはお客様を主体としたしたサービスの提供である

・旅館とお客様はあくまでも対等な関係である。旅館が独自の世界観を作り、お客様はその世界観を堪能する。

星野リゾートはその通りで、星野リゾートの世界観に共感した方が泊まりに行く場所だな。と思います。


ポイント② 長期利益につながるストーリー作りが必要である

事例:IBJ(結婚相談所)の戦略

IBJは、他の結婚相談所より成婚率が格段と高いそうです。

これはIBJの戦略として、以下を実施することで長期利益につながっています。

 ・少子化対策の為の成婚を目的としている

 ・会員のステップアップのステージを設けてサービスの提供を図っている


ポイント③優れた戦略は非合理性のポイントが必要である

事例:スターバックス日本進出の戦略

スターバックス日本進出時のコンセプトが直営店方式で、スタバのコンセプトである『安らげる空間の提供』にある。という点です。

通常、店舗展開するときは、コンビニのようにフランチャイズチェーン(FC)展開することが基本です。

FC展開は、本部が得をするような仕組みになっています。

 ・出店するオーナーが土地や建物を取得する。(取得リスク)

 ・出店のスピードが速い。(店舗展開)

 ・継続的に利益を得ることができる。(利益の定常化)

このようなメリットを捨ててまで、『安らげる空間の提供』(サードプレイス)を追求したことによって、他社よりも高価格を維持できているということです。こう考えると、サードプレイスの場って、本当に必要だよね。と思います。


『一見して非合理を部分的に戦略に盛り込んでいること』が優れた戦略である。

=部分的には非合理であっても、全体で見ると合理的なもの。

誰もが思いつき、正しいと思い、行動に移しやすい合理的な戦略は、マネされやすいので、資本の力に負けてしまいます。

ここに非合理なポイントを仕込むことで、優れた戦略になり得る。

これを大事にしたいです。

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