積み重なる日々の短歌2403
フキノトウ天ぷらがのる蕎麦求め近所一周大回りする
古書店に行きたいがまず本開き、古い友らをもてなしている
シマシマのユニフォームを着る客がいる。スマホを見る。連敗している
降り続く空は午後には回復し半そでを着て図書館へ行く
畝たてをせねばならぬと発起して西へと急ぐ。本担ぎつつ
うつかりと旧仮名遣ひで記してしまふ。さういふ友はどこにゐますか
ハイウェイを100マイルにて突っ走るスピード感で読んだらぐったり
今日もまたくだらぬことを書くためにわたしのハートが動いてくれた
壮大なプロットらしい小説を百ページ読み止めるか迷う
宿酔を振り払わんとの料簡で数キロ程度走ってはみた
肝臓の疲労回復図るため寝て本読むもいつもと同じ
先日の古本市で知り合った「友人たち」をお迎えする朝
いじわるを見越して準備してたのに来ないだなんてほんといじわる
AIに安易に判定されぬようつまらぬことをたあいなく言う
街じゅうに古書が集まる街で今日古本市が行われていた
学生のふらちな所業で名をさらす、その大学を卒業したって
2コマのダンスが続き足腰を励まさねばと慰撫を重ねる
ヤクザ絶えコンプラ圧力高まって夜の屋台が消えていく街
住民のためと称してコンプラを強いる背後で儲けてる人
難解な資料渡され矛盾など見つけたけれど見ないふりした
夜明けどき著者校正のチェック終えそして色校もう「ちびまる子」
先生の頭のよさを思い出す。頭のよさは人それぞれだ
5Gアンテナ立った初の日は築地で揉みくちゃ外国人らと
夏向けの園芸資材をトラックで運び疲弊しもう店じまい
明朝に仕事まとめてざっとやろう。地球は無事に回っているから
社交上微妙な部分を容赦なく突いてくるのはいじわるですね?
出来事に責任感じるいい人を利用だけしてほくそ笑む人
差し迫る2冊の仕事に追い込まれ震災起きた時刻を忘れる
秋成の後藤明生訳を読み自死した友の目になり代わる
ドルフィーのレコジャケTシャツ着る前に何度かかける。そのレコードを
大腸の残渣はうどん二玉ゆえ。食い意地という業が漂う
老害と気軽に語る脳みそもまた老害に侵される業
空腹をはちみつパンでしのぐとはあなたはなんと幸せだろう
読みながらバイクを漕いでダンスしてぐったりしている。まだ火曜日です
右肩の痛みの具合をみるために100メートルを小出しで泳ぐ
へそ伸ばし歩いた結果、靴底がすり減る前に甲が破れた
感情をさらけるような口振りは避けねばならぬとおもった、つくづく
選ぶとは選ばされてることである。好きも嫌いも生きるも死ぬも
ユーモアと受動性と脆弱さ。詩を書くうえで頼りにすること
転倒し搬送された義母である。たんこぶだけで済むのかどうか
ゆるゆると坂道下ったどん突きに初めて及びこみ上げる人