【陰ヨガ】冷え対策の陰ヨガ
女性特有の不定愁訴
Junostyleでは、『女性のための陰ヨガ講座』を開催中です。陰ヨガは、その性質から女性に受け入れてほしいヨガの一つです。女性の社会進出が著しいですが、男性と一緒に一直線に働くことはなかなか難しいと感じています。最近は、男性も育児休暇などを取るなどライフスタイルを変えるケースは増えているものの、妊娠、出産、育児といったライフステージの変化は、やはり女性の方が大きいのではないでしょうか。特に、生まれつき備わっている生理的な機能は男性と異なっており、女性は女性の身体に合わせた(逆に、男性も然り)健康維持方法があると思います。違いや特徴をきちんと識別した上で、女性のための養生方法を考えたいと常に思っています。
冷えは、女性の不定愁訴の一つです。冷え性の女性は少なくありません。私も、ヨガという仕事をしていることもあり、裸足で過ごすことが多く、冬は足が冷えるなどの症状が出ることがあります。「冷えは万病のもと」と言われますし、身体が冷えることで、得なことはひとつもありません。免疫力はダウンし、血液循環が悪くなり、目の下のクマの原因となったり、肩こりや腰痛の原因にもなります。また、血液の巡りが滞ると、お肌へ栄養や水分が運ばれず、乾燥気味になることから美肌の敵にもなります。
健康の要である五臓「腎」
中医学によると、五臓の一つである腎は、生命を維持する気(き)を保存している貯蔵庫の役割をしています。気が十分に身体に貯蔵されて、さらに滞りなく巡ることで、身体を温める働きがきちんと機能します。従って、冷えの改善ためには、腎を元気にしておくことが大切です。腎が気の貯蔵庫の働きを十分に行えるように、環境を整えてあげる日常の在り方を進んで行うことが大切なのです。
腎は、心身の様々な生理活動を司っています。体温維持と調整の他に、新陳代謝、水分代謝、成長・発育、髪の健康維持、体液や尿などの調整、生殖活動を支えるなどが代表的な役割です。腎の働きが低下すると、浮腫み、排尿障害、冷え性、下痢、精力減退、ホルモン異常、更年期障害、不妊などの原因となります。
腎は、若さや元気をキープするための大事な五臓と言えます。腎の元気は、健康のバロメーターとなります。冬の五臓である腎を守る生活を心掛けることは、冷えを改善する以上に、長い目で人生を見た際に健康的に暮らす秘訣でもあるでしょう。
睡眠は冷えを改善する最適な時期
腎の元気を維持することを「補腎(ほじん)」といます。腎を補うとは、シンプルに言うと、身体の健康の土台をつくることです。
冬の季節に自然界に満ちる気の性質は「蔵」です。寒い気候や冬の気の性質が、身体に気を溜めることを助けてくれるので、動物が冬眠して春を待つように、人も1年間の活動のための気を貯蔵するといい季節です。だから、不調などがあったら、冬の間の養生が健康を取り戻す絶好のチャンスと言われます。
だから、逆説的に聞こえるかもしれませんが、冷えの改善も、この季節にケアすることが一番効率がいいのです。老化を遅らせるには、エネルギーの収支バランスをいつもプラスに維持すること、「消費」より「溜める」に一生懸命になりたいです。睡眠で気を溜める、バランスの良い食事で気を補充することです。これが、古の中医学の思想が教えてくれる、根本的に冷えを改善させる方法です。
陰ヨガは、深い呼吸を促し、癒しと休息を養うヨガです。補腎のためのヨガと言っても過言ではありません。気を補充することから、冷え、慢性疲労、腰痛、老化などを改善してくれるヨガと言えるでしょう。この冬、癒しとともに、身体の気を養うことをしてみませんか。