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【陰ヨガ】陰の季節の養生法〜呼吸は”気づき”の第一歩!呼吸を整えよう!


秋分が過ぎました。随分と暑さが和らぎました。明け方や夕方・夜に吹く風が段々と秋めいてきた感じがして、季節の移り変わりを感じているこの頃です。陰陽理論を学ぶと、“自然とともに生きること“に留意し始めます。自然の流れに抗うことなく、“ありのまま”に自分を変容していくことです。それが中庸であり、バランスの取れたライフスタイルなのではないかと思います。

コロナ禍で気がついたこと

コロナ禍において、私たちは季節の変容という不変の法則とは関係なく、先の見えない変化を強いられました。私だけでなく、多くの人が自分の生き方や働き方を考えることが多いこの頃なのではないでしょうか。

変化の時は、どうしても心が騒つきやすい。日頃から冷静さを身につけていないと、知らず知らずのうちに大きな渦にのまれて、二進も三進も行かなくなってしまうことも。荒波が押し寄せた時に、いかに冷静な自分でいられるかというのは、その後の人生の命運を分けるとても重要なポイントだと思います。

冷静でなくなった時、普通は、正しい判断、正しい行い、正しい言動ができなくなるでしょう。怒りや不安に心を支配されて、取り返しのつかないことをしてしまうことも。時計は後戻りできないから、人生の大事な場面では丁寧に対処したいです。特に、私がコロナ禍で感じたことは、どんなに忙しい時でも、落ち着きのある冷静な心で毎日を過ごすことが、未来を決める自分の在り方なのだということです。大変な時こそ、苦しい時こそ、マインドフルに自分を観察し、自分と関わることです。そして、周りの環境や傍にいる人達とも丁寧に関わることだと思うのです。“ありのまま”に変化を受け入れながら。

呼吸は“気づき”の第1歩

私たちがどんな時も何気なく行っている呼吸は、自分の精神状態をよく表しています。不安になったり怒った時は荒々しく呼吸が速くなり、落ち込んだ時は覇気がない。逆に、嬉しいことがあった時や、運動の後スッキリした後は、呼吸が通っていたり、変幻自在に変化します。だから、呼吸を観察することは、“気づき“の第1歩です。身体と呼吸に意識を置いて行うヨガのアーサナは、まさに、自分への“気づき”を深める動作でもあります。だから、冷静な自分でいるために、呼吸の状態を見つめることは大事な行為の一つだと思います。1週間に1回でもいいと思います。落ち着きを取り戻すために、呼吸を見つめる時間をご自分にあげてください。それが明るい未来をつくる、大事な在り方だと思います。

養生とは自然治癒力を最大限に生かすこと

五行説によると、秋は“呼吸”と繋がりのある金の五行の季節です。五臓と経絡でいうと、肺(肺経)になります。体の役割の中で、肺が呼吸を担当していることは、容易に想像できると思います。声の大きさなども肺のエネルギーと関係しています。呼吸は肺の力で体内に入り、さらに最も陰の性質を持った腎で腹式呼吸へと、深い呼吸を完成させます。中医学でいうところの健康は、身体の自然な力を最大限に働かせるところにあると思います。養生とは、今、シンプルに持っているモノ(自然治癒力や免疫力など)を一番いい形で生かそうとする努力です。中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」にある陰陽五行が唱える季節に応じた養生法は、まさに四季(四気)の変化に応じて私たちの自然治癒力を最大限に発揮できる方法を教えてくれています。

秋の養生は呼吸を鎮めること

秋は「収」というエネルギーの質を持っています。活動を収めるわけです。心身も落ち着きを取り戻して収めていく時です。草木は枯れて落ち葉となり、生き物たちが活動を静かにしていく季節。気分が落ち込みやすくなる季節でもあります。身体と心は繋がっていて、身体が不調をきたせば心も不調になります。逆に、心が不調になれば凝りや痛みとなって身体の不調として現れます。呼吸が浅くなれば、悲しみや憂いの感情に支配されやすくなりますし、気分が落ち込むと呼吸が浅く短くなるでしょう。呼吸は、免疫力を支えるエネルギーでもあるので、肺の自然な力が発揮できないでいると、風邪などを引きやすくなります。従って、呼吸を鎮めて、元気で丈夫な身体を維持するとともに、感情に振り回されることのない心が落ち着いた毎日を心掛けたいです。

9月に引き続き、10月のJunostyleヨガと瞑想クラスは、呼吸をテーマにプラクティスしています。まずは、“ありのまま”の呼吸を見つめてみてください。


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