デビュー35周年+1年を迎えた森川美穂氏との、あれこれそれ。その4。・・・たぶん、ラスト。
デビュー36周年を迎えたシンガー森川美穂氏について、ちゃちゃっと書くつもりが、何故かシリーズ化してしまった。これ、その第4弾。
読んでくださっている方々、ありがとうございます。
そして、今日もつづきます。
よーい、どん❗️
2020年7月、デビュー35周年を迎えた美穂氏は35曲入りのベストアルバムをリリースした。
しかも、原曲のまま。
あの頃の美穂氏の声に逢える。
これって、凄いことなのである。
原盤は、殆どがヤマハさんが持っているので、ヤマハさんが「使っていいですよー」と言わない限り出せない。幸いヤマハさんにはご快諾いただけたし、原盤もあった。更に凄いことに、35年前に撮影された写真のネガも保管されていた‼️
ブックレットを開けば、17〜18歳の笑顔や、懐かしいソバージュの美穂氏に逢える。(ソバージュってもう言わんやん!)
このアルバムには、1曲だけ新曲が追加されている。松井五郎氏作詞、松本俊明氏作曲、
「涙のあとにあなたがいれば」。
人と距離を置かなければならないこの時期、語りかけるような美穂氏の歌声が、一筋の光を見せてくれる一曲。
本来ならば、35周年とこのアルバムリリース記念に、コンサートを行う予定だった。
だが、ご存知の通り、延期せざるを得ない状況になってしまう。
では、どうするか。
なんと、美穂氏は「35年なら、35曲唄うリモートライブだっ!」と、ライブを決めた。1部と2部、全く被ることなく計35曲。リハは当日だったらしいので、リハも合わせると本人、計70曲唄ってしまったらしい。
どんだけ体力ありますのん⁉️
12月に行われたこのリモートライブが面白かった。いつもMCが面白い美穂氏なのに、
「急ぐよ、今日は!」
と、ろくにしゃべってくれなかった。
それが逆に面白かった。
この日の美穂氏の感想は、
「ま、一回やれば、いいか」。
前後するが、11月には「Here with me」をリリース。元々英語の歌詞で歌われていた曲だが、松井五郎氏による日本語詞に書き換えられた。
作曲は、小林信吾氏。信吾さんは、この曲のリリース直前に空へ旅立たれた。
ありがとうございました、信吾さん。
35周年の2020年が終わり、2021年を迎えても、世の中は一向に希望を見いだせない。
そんな中、奇跡のようなコラボが誕生した。
デビュー曲「教室」を作曲された小森田実氏、この曲をアレンジされた瀬尾一三氏によるアレンジ。そして、作詞を松井五郎氏が担当した曲がリリースされた。
タイトルは「いつかは昔のことになる」。
誰もが閉塞感でいっぱいになっていた頃、このタイトルにどれだけ多くの人が救われたであろう。現在も状況は変わらないが、人は「希望」を見せられた時、前を向けるようになる。
35曲入りアルバムと、松井五郎氏作詞によるバラード三部作(私が勝手に呼んでいる)。
こんなに素材は揃ったのに、生の歌声が聴けないなんて!と言う沢山の声が天に届いたのか、ついに2021年7月25日、1年遅れた35周年記念コンサートが有観客で行われることになった。
場所は、以前から美穂氏がライブ会場としている「SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」。
いやー、待ったよねー、待った待った!
東京は緊急事態宣言下。どうなることやら、、と思われていたが、無事開催された。
このコンサートへの美穂氏の意気込みゆえなのか、美穂氏は長いこと伸ばしていた髪をバッサリ!切った。願掛けだったのかもしれない。
今年こそは、ホールでの有観客ライブを‼️と。
これには、私も驚いた。が、ショートも似合うだろうと予想はついた。アルバム「a holiday」のジャケ写で、美穂氏は見事なショートカットを見せてくれていた。
しかし、予想以上だった。
これが、35周年+1年記念ライブの美穂氏。
どどん!
はう、びゅーちふる‼️
そして、なんという気品。
どこかの王妃のようである。
もう一枚。
ライブは「Loving you」でスタート。
次いで「フルフェイスとSummer days」「Positive」「スタンダード」と続く。
考えてみて欲しい。これらの曲、全部30年以上前に唄われていた曲なのだ。なのに、全く違和感がない。更に言うと、当時よりも聴き手に伝わる。沁みる。
歌も、歌い手と共に成長するんだなと、感じた瞬間だった。
曲は、「Long goodbye long」「わかりあいたい」「チャンス」「Real mind」と、バップレコード時代のものが続く。
代表作「おんなになあれ」や「ブルーウォーター」も披露。本編、計17曲。
そして、アンコールでは、なんとデビュー曲「教室」を、それはそれは丁寧に唄う。
〈突然ですが、退学します〉
という衝撃的なサビ。一度美穂氏は作詞家である千家和也さんに退学の理由を尋ねたことがあるそうだが、教えていただけなかったらしい。
そして、最後の最後に「いつかは昔のことになる」まで、計19曲を唄いあげた。
なんなんだろう、このひとは。
よく、誰かのヒット曲をカバーする歌い手さんがいるが、失礼ながら、やはり本人が一番と思わせてしまう。美穂氏の場合、当時の曲を何十年ぶりかに唄っても、今の唄のほうが、ぐっとくる。
今の美穂氏が、昔の美穂氏に勝ってしまう。
実際、カバーライブというのを彼女は頻繁に行っている。どんな方でも知っている往年のヒット曲を唄うのだ。驚くことに、それらの曲はもう、森川美穂の曲になっている。ご本人よりもいいと言っているのではない。彼女が唄うと、彼女の世界が一瞬にして作られるのだ。
森川美穂は、たぶん、カメレオンなんだ。
もしくは、憑依型歌手なんだ。
カバーライブ企画は、2016年あたりから始まった。エスパーN氏のアイデアだ。様々な唄に触れることによって、今までの自分の唄でさえ更に成長させることを予測していたのだろうか。
やっぱ、エスパーだ。
今日は、近年、美穂氏のスタッフとして働いてくれているふみちゃんの写真を使わせていただいている。彼女の写真は、美しい。Instagramもやっているので、良かったら覗いてみてほしい。物でさえ、呼吸が聞こえるようだ。
Photos by Fumi Akimura
一回だけで終了するつもりが、第4弾までになってしまいました。どうか、お許しを。
ひとまず、これで終了です。しかし、デビュー36年にして、まだまだ成長していく森川美穂氏を、まだまだ見続けたいと思う。
ゆえに、このシリーズは、続くんじゃないか?という予言を残したい。
エスパーか?自分。