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寝込んでいた私は、起き上がり本屋へと走った。

え?明日やるの?なんだか楽しそう…!
慌てて本屋へ走った(車で)

キナリ読書フェスを知ったのは、11/21の15時頃。

その直前まで私は心身ともに絶不調で、何日もこの世の終わりのように寝込んでいた。

本屋に着くとお目当ての本は見つからず、レジへと走り、店員さんに聞いた。

「あのぉっう!!小学館のっ!岸田奈美さんのっ!…」←走ってきたから勢いすごい。声もデカイ。
「家族だから愛したんじゃなくて…」←ちょっとハッと我に返り小声気味。
「愛したのが家族だった…」←隣のレジに並んでいた人達がみんな見ている。ちょっとニコニコしてるし。
蚊の泣くような声で「…ありますか?」

とってもお仕事の出来そうな冷静なお兄さんがPCでサクサク調べ、「今お持ちします」と持ってきて下さった。

岸田奈美さんのnoteを初めて読んだのは、11/20夜22時頃。面白過ぎて引き込まれ、いくつ読んだか覚えていないくらい読んだ。気付いたら朝7時。
そして、ちょっと寝て目が覚めてまた読みだした。
それで冒頭の話に戻る。

読書感想文のはずなのに、そこまでの経緯が長過ぎてすみません。でも、どうしても書きたかったのです。

ここから読書感想文に入りますが、半分は岸田奈美さんへの感謝のお手紙の様な気持ちです。
しかも、noteの投稿初めてです。

よろしくお願いします!


実はnoteでも、殆ど読んでいたのですが、私は紙の本がとても好きなので、本で手に持って岸田さんの文章が読みたかった。
先ず表紙でホッコリした。
鉛筆の様な温かみのある字も、丸みがあって柔らかい楽しそうな絵も良い!
カバーをめくったら、岸田家の3人の笑顔も良い!!←笑顔が大好きで笑顔が栄養で生きている私にぐんぐん沁みる。

表紙の裏の赤い紙の赤べこがまた愛らしい!
横には

(パパが大好きな)ママと良太とわたしのことを、最高だってほめてもらいたくて、エッセイを書きはじめたよ。

と書いてある。
ほめますよ!そりゃーほめますよ!何万回でも。と、強く頷き私も赤べこになった。←まだ読んでない。

良太くんが書いたページの文字を見ただけで自分の息子のことのように泣けてくる。

noteでは、横書きの岸田さんの文章だったが、本での縦書きの文章も味が更に出て好きだ。

早速、黄色い蛍光ペンと、付箋(大小)、シャープペンを用意して読み始めた。

はじめにの中から
父に似て嬉しかったことの話。めちゃくちゃ唐突におもしろいことを言って家族を笑わせる大好きなお父さん。
私の父と重ねた。父は昔から今でも唐突におもしろいことを言う。岸田さんのお父さんとは比べものにならないが、猫のことを「ニャンごろごっこ」犬のことを「ワンごろごっこ」食パンのことを「おパンパンちゃ〜ん」と言う、超真面目な硬い仕事をどうやってしていたのか未だに不明。今では年老いて、「入れ歯は痛いから嫌い!柔らかご飯でいいの!」と私を困らせ、フガフガのクシャおじさんの様な愛らしい口で可愛くダジャレを言う私の摩訶不思議な父語録は沢山ある。
岸田さんの愛するお父さんとの亡くなる前のやり取りと亡くなったあとのとの話はnoteでも、本ではじめにを読んでもウオンウオン泣いた。
途中で岸田さんのカワイイ関西弁や、ブーメランなどのワードに癒されつつ。

赤べこの話
ダウン症が染色体が一本得してるはずなのにで、「本当だよねー、私もずっと思っていた」と本に書いた
でも、以前障害者施設での研修でダウン症の人達と接したとき、色んな人がいたのだけど、皆さん笑顔が素敵だった。
礼儀正しい。赤ちゃんから、おばあちゃんのダウン症の人達、皆さん愛らしかった。会話が成立しなくても心で話した。笑顔が栄養の私にとってはその場所は天国だった。様々な事情で施設に住んでおられる人達だったが、見ず知らずの疲労でヨレヨレの私にまで自然な笑顔でいてくれて、私の疲れは飛んでいって、一本多い染色体は周りの人を笑顔にしたり、小さい幸せを分けてくれるために増えた一本なのかも?とその時思った。そしてその様な笑顔を持てる様なご家族の深い愛情が注がれて来たのだな、ご家族の苦労も計り知れないが、それでもこの笑顔でふと幸せになるのだろうと。

万引きしたのかも?という、シリアスな場面でも、冤罪フェイス、かっぱ寿司のすし特急、お詫び 菓子折り 今すぐ、などの言葉で何度も飲んでたお茶を吹き出す。

「頼ってくれたのが嬉しかったです!」…えっ?天使?←うーん、わかる!岸田さんの気持ちも、オーナーさんの気持ちも!!
オーナーさんは本当に素直に思ったのだろうし、とても綺麗な心なんだろうなぁ。お母さんも嬉しかっただろうなぁ。
と感動した直後に、人としての器が刺し身じょうゆ皿ほどしかねえのだ…ろくすっぽおもしろくねえのだ、で涙が出るほど笑った。
岸田さんのこういうところが大好きである。素直で可愛すぎる。

このとき、涙を流して笑っていた私を見て隣で寝ていた猫も起き上がった。
私は本当に数時間前まで、何日も寝込んでいたのである。「こんなダメな私は死にたい、でも病気で死ぬのは悔しいし(現在、精密検査待ち)、体は色々痛いし、死にたいとか死にたくないとか思っている自分がめんどくさいし嫌だ。こんなことを大好きな人に聞かせるのも申し訳ない」などと、暗くてめんどくさい極まりない状態で、普段なら喋り過ぎでうるさい!と言われる私が全く喋らず笑わず寝込んでいた。
そんな私が本屋へ走り、ウキウキ帰宅し読み始めたら泣いたり、ゲラゲラ笑って忙しい←うるさかったんだと思う。そして、心底ホッとしたと思う。猫もなんだか嬉しそう。
わずか18ページ読んだら、私だけでなく、猫まで?笑顔にしたこの本はすごい!!
この時点で、空に向って「岸田さんのパパー!岸田さんのエッセイ最高ですー!!」と大声で叫びたい。と本気で思った。
良太くんの周りのあたたかく見守って下さる人達の「こちらこそうれしかった」がとても心に染みる。
私も昔、障害者の人とどう接してよいかわからなかった。仕事や研修を通じて普通で良いのだとわかったとき、うれしかった。
話は違うが、認知症の施設に働いていた時、同窓会で友人に「大変な仕事だね〜、老人のお下の世話なんてできない」と言われたとき、頭から火が吹くほどムカついた。確かにね、お下の世話は大変よ?でもその何倍もの笑顔や癒やしをくれるのよ。でも、友人にも悪気はない。わからないのだ単純に。いつか自分の親がそうなったとき気付くのだろうと思ったことを思い出した。
良太くんが母べこのヒーローであるように、その頃の私にとっては職場のおじいちゃん、おばあちゃんはヒーローだった。
最後の5行、蛍光ペンでラインを引き、更に四角く囲った。知らんけどが更によい。

奈美にできること…
出発して7分後のお母さんとのやり取りイイねぇ。私を見ているようだ。オオアリクイとの死闘。うちの息子も言いそう。でも岸田さんはきちんとお母さんにお返事するんだろうなーとニコニコした。
ペットボトルのフタのくだりは優しい世界の超新星爆発。ステキだ。良太くんの良さと、周りの人との交流が私のガチガチだった心を溶かしていく。
このページで写真を撮り2回目のツイートをした。
直ぐに岸田さんのコメントがついた。
う、う、う、嬉しい!

どん底まで…
まさに今現在の私のコトが書いてあるのかと思った。読んでる私はトドである。
27年どころか50年近く生きてるのにドラクエのまだはじまりの村だ。はー…。しかし!
良太くんとのやり取りの中で岸田さんが元気になっていくのを読んで、私も元気になってきた。
コーラまで飲みたくなってきた。

ここまで書いて、はたと気付くと19時!締め切りまで間に合わない。しかも文章長過ぎ…。
間に合って欲しい。がんばれ私。

母をもゴリラにすると言うワード。
相当な計り知れない苦労だったと思う。お母さんも、岸田さんも。私も乳がんになった時、息子に「私が死ねばあしなが奨学金で大学に行けるのに」と弱音を吐いて号泣したら、ものすごく悲しそうだった。でも怒らなかった。二人きりでずっと支え合いながら生きてきて、手術も治療もしたのに本当にどん底だった。どん底のどん底。それから数年後、怒られた。あんなこと言うなと。その時、わずか19歳であった息子には本当に苦労かけた。今もだけど。お母さんの気持ちも岸田さんの気持ちも泣けた。そして、ゴリラになったお母さんが羨ましいし嬉しい。今の私はピグミーマーモセットぐらいだ。いつか日本猿くらいにはなりたい。

「お父さん最高だな」最高オブ最高、パソコンから向けられた言葉。泣けた。そしてでもね、やっぱり。ファービーは、日本語版がよかったよ。←オチ!!!号泣のあとのオチ!笑った。
私の心と体はこの頃かなり回復していた。

ラーメンズ
そこ?気になったところ?読書感想文なのに?
どうしても書きたかった。昔私を支えてくれた愛しのラーメンズ。岸田さんも好きなのかー!読書の後、ラーメンズのYou Tubeを観ながらご機嫌で夕飯を作った。
笑うって本当に素晴らしい。
岸田さんの文章で寝込んでいた私は起きれた。しかもご機嫌で夕飯を作れている。すごい。

選び続ける勇気
私は3年前ガンになってからずっと生きている意味、死ぬこと、息子のことを考えている。実母もガンで亡くし看取った。
病人的発想というワード。そして岸田さんの「家族だから愛したのではない、愛したのが家族だったのだ。」「死ななきゃ何とかなっちゃうよ」

何とかなるかな?でも、信じてみようかな?
キナリ読書フェスを知って起き上がった私は何とかなると思うことにした。

あとがきを読んで
とにかく泣いた。こんなにもステキで愛くるしい岸田さんでも、どうすれば、自分のことを好きになれるんだろうか?と悩むのか。なんてことを思った。最後の3行にこの本を手にとってくださった皆さんがいたからわたしは、わたしのことを大好きでいられます。という文章を読んで号泣した。
私が、読んだ、それだけで岸田さんは自分を大好きでいてくれる。嬉しい。単純に嬉しい。

生きてていいんだよ。
私も大好きな自分を思い出して、また大好きになろう。そして、自分が笑顔になれるように、周りの人達が笑顔になれるように一歩ずつゆっくりだけど歩もうと思えた。

長ーい!長過ぎる感想文!!!
本当にスミマセン。キナリ読書フェス参加できてめちゃくちゃ嬉しい!岸田さんのnoteに出会えてよかったー!!
岸田さん、最高オブ最高!最高金賞!
他の課題本も是非読んでみたい!

ありがとうございました!


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読んでくださりありがとうございます! 嬉しくて飛び上がります♪ 私の心の中の言葉や絵を見て何か感じてくださればいいなと願いつつ。