地域の防犯は様々な恩恵とともに
同じマンションに20年ほど
住んでいます。
幼少期は父親の転勤などで引越しを何回かしました。そして今、人生の中で一番長い期間を同じ場所で過ごしています
今のマンションが建設中当時から近隣エリアに住んでいました。賃貸のアパートを借りていて、いつかはオートロックの付いたマンションに住んでみたいなと夢見ていました
能天気な私は
防犯上という観点は理解しつつ
家の鍵をかざしたら
パカーーー と玄関の扉がひらく
これをしてみたかった
そうして
夢が叶いました
家の鍵をマンションの正面玄関へ
差し入れると
Open the door
扉が緩やかに開く音に安心します
おかえりなさい
そう言ってもらえているように
思えました
そして時が経ち、現在は?
20年の月日が経ち
新しいものに感動する気持ちは色褪せていないと信じつつ、鍵パカで浮かれる私は露ほども存在しません
オートロックの防犯力だけでは身を守れないことも分かっています
日々の防犯意識の重要性
強盗事件のニュースなどを見ていると明日は我が身かもしれない...
そう心積りしています
余談ですが、かつて
オーブンからボヤが出て
30分後にALSOKのお世話になった
ことは恥ずかしい思い出
(ハンバーグの下にキッチンペーパーをひいて追加で加熱したら紙に引火しました)
守ってくれてありがとう
運命共同体の同マンションの皆さんにご迷惑をおかけしなくて
本当に良かった
そんな矢先
1ブロック離れたところに住む
叔母の家に強盗が入りました
TVでも報道されて
周辺は物々しい空気に包まれ
事の重大さを実感しました
幸い叔母の命に別状はなく
鈍器で殴られた軽傷と
少しばかりの現金を盗まれ
もっと戦利品が欲しいと貪る犯人は苦し紛れに家の権利書を持ち逃げ
していきました
身体の怪我は日にち薬で治りましたが、心の傷は深さが見えません。
スープの冷めない距離に住みながら
実際に叔母のフルケアをしたのは
子供達、孫達
家の駐車場にはいつも子供達いずれかの車が停まっているのは叔母が一人ではない証拠
しばらく経ち、落ちついた頃を見計らって叔母に電話をしました
警察から電話の取り方を伝授されている叔母がおそるおそる受話器を取っていることが伝わります
叔母さん
大変でしたね
驚きました
何もお手伝いできず心苦しいです
口をついて出た言葉は弁解ばかりで、無力な自分に白々しさを感じながら叔母の言葉を待ちます
叔母の口から語られる事件の真相は
私の予想とは異なりました。とても落ち着いていました。私の目の前にフルフェイスの男が現れたら、今日が命日かぁ、と現実逃避して気絶してしまうかもしれない
叔母は生きた心地がしなかった現場について淡々と報告をしてくれました
もちろん寝起きで目の前に見知らぬ男がいることは怖かった、けれど程なくして、犯人が''慣れていない"ことに気づいたそうです。殴られたけど、明らかに手加減をしてくれた、こんなことをしている自分に迷いと自己嫌悪を持ちながら行動をおこしているのよ、と。
命があったから大丈夫
ただ、可愛い孫が遊びにくるときは
日帰りにしてね
私、孫を守る自信がない
そう子供達に伝えているようです
警察との度重なるやり取り
犯人はあっさりつかまり
10代の青年だったこと
個人ではなくチームを組んで実行していることを知りました。
叔母の家は防犯システムを着けていませんでしたが、この事件をきっかけに新規契約をしました。
犯人が何故あっさり捕まったか
それは隣人の家の防犯装置に犯人の
姿が映っていたからだそうです
ただし
叔母は悔しがっていました
隣の人 仲良くないの
借り作っちゃった
そうなんですね
オフレコにしておきましょう
世の中はいつ何が起こるか
わからない
何かが起こったときに
思いがけない人に救われることが
あるんだ
それ以来、玄関の鍵はダブルロックを徹底しているし窓の開けっぱなし、勧誘めいたものには引っかからないよう一層注意を払うようになりました
さらに叔母は言いました
特約をつけていた生命保険会社は書類のやり取りが大変でへとへと...
下りた金額が雀の涙だった
余計に疲れてしまった
一番有り難かったのは共済
名前と生年月日を伝えてカードを
見せたらポン!て五万円くれたの
嬉しかった
これぞ
生きた防犯意識が上がる授業よ
叔母さん
元気で長生きしてください
お見舞いのつもりが受講生に
なってしまった
Junko Summer