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SHOGUN でハリウッド進出の徳川家康

栄誉あるエミー賞2024を受賞した
SHOGUN 将軍
(エミー賞最多18部門受賞)

真田広之の長年の尽力により
日本の時代劇がアメリカで
認められたと各メディアで連日報道されています。真田広之自身がプロデュースに名を連ね主演を務める今作

備忘のため個人の感想を記録します
注)敬称略 ネタバレがあります
掲載写真はSHOGUN公式より抜粋しています

何があっても虎永ファースト

ハリウッド版 徳川家康の吉井虎永

トップガンマーヴェリックの原案者が総指揮を務めているSHOGUN

天下人 ≠  スーパーヒーロー

天下人をヒーロー扱いしていません
気がついたら虎永ファーストになる
道程を描いています

日の本、日本を治めるまでに沢山の血が流れます。日本では有名すぎる時代をテーマにしたSHOGUN。
虎永は無欲を口に出し、相手に服従することを仄めかし、誰よりも忍耐強く"機"を読む天才。一見SHOGUNの座を欲していないようにみせる虎永は究極の策士

殿からの理不尽な要求は
時を経て"必要な犠牲だった"
という解釈をさせられてしまう

虎永が思い描く未来地図
揺るがずに突き進みます。虎永の空間制圧能力の高さを分かりやすく伝えるために英国人航海士のジョン(按針)の視点が重要です。

自分を生かすも殺すも
虎永様次第
要求を飲んでくれそうに見えて
先送りされる
でもいつかは
英国へ帰ることを許してくれるかも
(無理)

按針はそう願っていますが
虎永は按針の胸中を全てお見通し

わかった上で按針を転がす

虎永の静かな気迫が末恐ろしいです。


このドラマのキャストは戦国時代の史実を元に実在の人物をイメージしてキャストが割当てられています。虎永のモデルは徳川家康。太閤が亡き後、石田三成を思わせる石堂(いしどう)は虎永を陥れようと策を練ります。表向きは味方の振りをして隙あらば虎永を亡き者にしたい...関ヶ原の戦い以前の武将達の攻防を描いている今作品。ジェームズ・クラヴェルの小説「将軍」(1975年)を基に作られています。アメリカから見た江戸時代の日本・サムライ ・将軍像に、日本人が史実と違う部分を見つけても"アメリカのエンタメだから"でスルーできた方が楽しめると思います。

ほとんどが日本語で観やすい

ハリウッド版 三浦按針のジョン
ハリウッド版 細川ガラシャの鞠子
ハリウッド版 石田三成の石堂
ハリウッド版 茶々の落葉の方

この功績は真田広之のおかげなのでしょうか。サムライや将軍が英語ペラペラだったら違和感がありますが、このドラマでは基本的に日本語で会話が続きます。英語/外国語を話す登場人物は日本人キリシタンや宣教師、ヨーロッパからの航海士(按針)など"英語を話すことが理にかなっている"存在として自然に馴染んでいます。徳川家康を外交面で支える三浦按針として登場するジョンは通訳を介して虎永の手の中で泳がされます。通訳は大事な存在、その信頼を経て任されるのは細川ガラシャを思わせるオリエンタルビューティーの戸田鞠子。ジョン(按針)は日本へ漂着したとき自身の身は''蛮人"扱いをされます。サムライ達に理解されず、伝えたいことを正しく通訳されず侮辱を受けたからこそ、彼女の存在は希望の光。虎永に忠誠を尽くす賢い通訳/鞠子は夫が嫉妬するほどにジョン(按針)の側を離れずに外交の責務を負います。やがて2人の間に垣間見れる絆が萌えポイント。

映像が美しい

今作品の総制作費は2億5,000万ドル、日本円にして350億円だそうです。全10話あるので1話あたり35億..
何処かで聞いた35億。
とにかくオープニングから映像の美しさで魅せる今ドラマ。
網代の景色が浮世絵を再現しているかのように風情があります。日本語で表記される"将軍"の力強い文字、各話のタイトルも日本語です。

馴染み深いテーマである一方、粗に気づきやすい日本の時代劇。王道のストーリーを丁寧に作りあげれば、日本のコンテンツはまだまだ伸び代があると体感できるコンテンツ

ありがとうSHOGUN
Disney +で配信中

浅野忠信 さすがの存在感


鞠子様の綺麗な英語が耳心地よい
Junko Summer

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