不登校の海㉘ 私の知らない息子
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
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私の知らない息子
運動会で思いがけず集合写真を撮ることになり、長男が他の子達と並んでいるのを感慨深く待っていました。
写真撮影は1クラスごとだったので、長男の組の撮影は一番最後でまあまあ待ち時間があったのですが。
待っていると、一番仲良しのO君のお母さんが私たちの姿を見つけて話しかけてくれました。
「H君、来れて良かったですね！私の方まで感動しました。」と。
O君のお母さんと最近の長男の様子などを話した後に、O君と長男が仲良くなったきっかけとなったエピソードを教えてくれました。
以下、O君のおかあさんからのお話です。
実はうちの息子とH君が公園でベイブレードで遊んでいたときに、帰るときになって息子が一番気に入っているベイブレードが無いことに気が付いたんです。
さっきまで遊んでいたのに、いくら探しても無くて。
実はそのとき、知らない子がウチの息子のベイブレード持ってるのをH君が見つけてくれたみたいなんです。
ちょっとガキ大将みたいな子だったんですけど、H君はその子のところに行って「そのベイブレード返して。」って、取り返してきてくれたんです。
その日からH君は、ウチの息子にとってヒーローなんですよ。
初めて聞く話でした。
自分のものを友達に取られたこともあるし、自分が友達にからかわれても、強く言えなかった長男が、O君のためにそんなことをしてたなんて…。
私はこの頃になって、ようやく気が付き始めたように思います。
自分の知らない長男の側面がまだまだたくさんあること。
自分が思っているよりもずっと、長男には「強さ」や「優しさ」目には見えない「可能性」をたくさん持っていることに。