不登校の海⑥ 本格的な不登校のはじまり
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
「はじめに」はこちら★
コロナ休校明けの5月から再び不登校になった長男。
「明日は行く」と言いながらも、いざ朝になると「やっぱり無理…」という日々が続いていました。
本格的な不登校
新しい担任のY先生が何度か自宅まで来て下さり、プリントを渡してくれたりクラスの状況を教えてくれたりしました。
先生とはマンション1階のロビーでお話していたのですが、長男は初日だけ先生に挨拶したものの、次第に先生にも「会わない」と言うようになりました。
どんどん自分の殻に閉じこもっていくように見えました。
季節は5月。先生を見送って外に出ると、緑が青々と茂って心地よい風が吹き、太陽はキラキラと輝いていました。
かたや学校にも行けず、外にも出たくないと言う長男。
自分が落ち込んでも仕方がないとは思いつつ、私自身もどこか気持ちが晴れない日々を過ごしていました。
そんなある日、担任の先生からある提案をしていただきました。
一斉登校が始まる6月1日まで、学校を休んではどうか?と。
担任のY先生のご意見はこうでした。
「6月までお休みすると決めて、その間に心の準備をしてはどうですか?分散登校の期間中は授業もそれほど進みませんし、毎回学校に行くかどうか?の選択をすることは、H君にとってもお母さんにとっても、きっと負担が大きいでしょうから。」
Y先生の言う通り、毎朝「今日はどうする?」「今日こそ行かなきゃ!」みたい押し問答することは、私にとっても長男にとっても大変なストレスでした。
先生の提案ももっともだと思って長男に伝えると、彼も「6月まで休みたい。6月からは行く。」と答えました。
「5月の分散登校の期間は学校を休んで、一斉登校が始まる6月1日から学校に行く」
長男と二人で下した、意思決定でした。
休むと決めてからは、毎朝のすったもんだが無くなったおかげで長男も心のゆとりができたのでしょう。
朝も普通通り起きることができたし、家の中では元気に過ごせていました。
「6月に入ったら本当に行けるようになるかもしれない…」
私も不安と期待を抱きながら一斉登校までの数日は穏やかに過ぎていきました。
そして、一斉登校が始まる6月1日。
長男が「この日から学校に行く」と決めたエックスデーです。
結論を言うと、長男は家を出ることができませんでした。
「6月から行く」そう言った長男の言葉に嘘があったわけではありません。
本人も本当に「6月から頑張ろう」と思っていたのでしょう。
だけど、長男が抱えていた不安は、彼自身が思っている以上に大きなものだったのかもしれません。
「放っておいてもそのうち行けるようになるだろう」とどこか気楽に構えていた私も、この頃になってようやく心配になり始めました。
「これはもしかしたら1週間で登校できるようになった4年生の時とちょっと状況が違うかもしれない。このままだと、本格的な不登校になるのかもしれない…。」
それからはまた毎朝
「今日はどうするの?」
「今日こそ行かなきゃ…」
そんなやりとりが始まりました。
しかし、その週は結局一度も学校に行くことはできませんでした。
本格的な不登校の始まりでした
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