不登校の海㊸ 自分を大切にするということ
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
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自分をたいせつにすること
不登校から復帰し、順調に小学校に通っていた6年生のときのことです。
6年の担任S先生は、昨年不登校だった長男の様子を何かと気に掛けてくださっていました。
そんなある日お電話を頂き、こんなことを伝えてくれました。
「最近H君は休み時間も一人で本を読んでることが多いんです。お友達が外遊びに誘ってくれたりするんですが、H君は断っているみたいで。お友達もそれ以上誘えなくて、少し離れてしまっているように見えるんです。本人の意志なら良いんですが、もしそうじゃなかったらと、ちょっと気になって…。」
不登校になる前から長男は、外で遊ぶよりも一人で教室で絵を描いたり本を読んで過ごすことも多い子でした。
昨年不登校になった理由の一つも「休み時間に何が起こるかわからないことが怖い」ということでした。
一人で静かに過ごしたいけれど、誘われたり、一人でいることに対して誰かに何かを言われるのが怖かったのかもしれません。
S先生からお電話を頂いたあと、それとなく長男に聞いてみました。
わたし:最近休み時間て何してるの?
長男:ん-。本読んでることが多いかな。
わたし:外遊びに誘われたりしない?
長男:ときどき誘われるけど、「ぼくは(遊ばなくて)いい」って言ってる。
わたし:そっかそっか。一人でいる方が好きだから?
長男:うん。
わたし:そうなんだね。前からそうだったもんね。
あのさ、いちおう誘ってくれたお友達に「ぼくはいい。」って言った後、「でもありがとう。」ってひとこと伝えておくと良いと思うよ。
お友達も、誘って悪かったかな?って思っちゃうかもしれないから。
長男:あっ、そうか。うん、次から言うようにする。
S先生は心配してくれたのですが、長男はただ一人で本を読んで過ごしたかっただけのようでした。
長男は1年生のときからこんな感じだったので、私も最初の頃は「他の子と馴染めてないんじゃないか?」と心配したこともありました。
だけど最近は、無理に周りに合わせようとせずに一人で時間を過ごすことができるっていうのは一つのスキルなんだろうな、と思うようになりました。
本人が「心地よい」と思える方を選択できていれば、周りと馴染めていようが孤立していようが、どっちでもいいのだと思います。
そして、周りの人とすぐに馴染めるコミュニケーション力も大切なスキルだけど、周囲に流されず一人でやりたいことやって過ごせるスキルも実はとても大切だと思っています。
特に、長男や次男のような繊細なこどもたちにとっては。
自分が疲れないために、そして自分を大切にするために。