不登校の海㊱ 不登校を見守るコツ①
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
「はじめに」はこちら★
不登校を見守るコツ①
褒める前に言うこと
教室に入れたことで、最初は360度どこを見ても大海原だったのが、ようやく陸が見えてきました。
ここで少し、不登校という海を泳ぎ切るためにわたしが気づいた「コツ」のようなものがあるような気がするので書いてみようと思います。
あくまで長男の場合、ですが。
①褒める前に言うこと
家を出る。
学校の敷地に入る。
会議室に入る。
算数教室に入る。
5年1組の教室に入る。
何度かこういう「いつもよりも勇気が必要」局面がありましたが、大きな壁を乗り越えて戻ってきた長男に掛ける言葉は、決まっていました。
「頑張ったね!」でも無いし「すごいね!」でもありません。
もちろん、それらの言葉も掛けるけど、いつも私が掛ける第一声は「緊張したねーーー!!」でした。
そもそも長男が不登校になった一番の原因は「自分のネガティブな気持ちを表に出せないこと」にありました。
だから、まずは「怖かった気持ち」「緊張したこと」「嫌だったこと」「不安だったこと」これらのネガティブな言葉をこちらから水を向けてでも引き出す必要があったのです。
労う言葉、褒める言葉は、その後。
私が「緊張したでしょう?」「怖かった?」と言うと、長男は「はーーー」と息を掃き出し、明らかにほっとしたような表情になりました。
「自分の嫌な気持ちを誰かに言って良い。」
長男が自分自身にそう許可が出せるようになるまでに、本当に長い時間がかかりました。
もしこの不登校がなければ、彼自身の嫌な気持ちや不安な気持ちを誰にも言えないまま思春期を迎え、大人になっていたかもしれません。