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不登校の海㉞ ついに…

2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。

「はじめに」はこちら★


ついに…

10月の運動会でクラスのみんなに会い、
算数教室から少しずつ「教室に入る」を実現し
大好きになったハリーポッターをきっかけに図書の授業で全体のクラスに合流し…

そして11月19日。

この日の2時間目は、長男の好きな社会の授業でした。

担任のY先生と、この日の付き添い担当だったT先生が打ち合わせをして、授業の最後20分は教室にあるテレビで資料のビデオを観るように段取りを組んでくださいました。

ビデオを観ている間は、長男が入って来てもみんな気が付きにくいし、やることが決まっている方が長男も安心して教室に入れるからです。

「じゃあ、行ってきます!」いつも快活なT先生と一緒に、長男も緊張した面持ちで会議室を出ました。

わたしは、いつものように会議室で長男を待ちました。

もし教室に入ることができなければ、まもなく長男は会議室に戻ってくるでしょう。

どうか、教室に入れますように。

そして授業が終わるまで過ごせますように…

結果、2時間目の終わりのチャイムが鳴るまで、長男は戻ってきませんでした。

長男は5年1組の教室で過ごすことができたのです。

休み時間になり会議室に戻ってきた長男。

さすがに緊張で疲れた様子でしたが、「は~~~」と安堵のため息を漏らしました。

20分間、目いっぱい気を張っていたのが、ようやく会議室に戻ってきて力が抜けたようでした。

付添ってくださったT先生は「H君、本当によく頑張りました!」と、長男を称えてくれました。

そのあとで「僕は人が二の足を踏むところを初めて見ましたよ!H君、文字通りステップを踏むみたいにした後、最後は意を決して教室に入りました。いや~、頑張ったね!!」と、また快活に笑いました。

5年1組の教室に長男が入ったのは、5月の分散登校の初日以来、6か月ぶりのことでした。

ほんの20分。

だけど、長男にとってはこの不登校期間に幾つか乗り越えた壁のうちの最も大きな壁でした。


今までの遅々とした歩みがウソのように、ここから一気にゴールに向かって進み始めます。

何もしない時間




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