不登校の海㉟ 何もしない時間
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
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何もしない時間
登校できるようになってからの話ですが、長男がこんなことを言っていました。
「学校に行ってない分、たくさん時間があったから本が読めるようになったし本が好きになった。学校に行ってた時は毎日宿題に追われて、本を読む時間も無かったから。」
不登校になってから長男は、それまではあまり読むことの無かった「文字の多い本」を読むようにもなりました。
教科書にも載っていたあさのあつこさんや重松清さんの本。
図書室で借りたハリーポッターもあっという間に読んでしまい、登校できるようになってから全シリーズ読破してしまいました。
子供向けの本を読みつくしてしまうと「何か僕が読めそうな本、無い?」と私に聞くので、子どもでも読みやすい大人の本まで読むようになりました。
文字の本が読めるようになって、もともと「物語」の好きな長男の世界は一気に広がったようでした。
この頃長男が読んだ本の中に、瀧本哲史さんの「ミライの授業」という本がありました。
「これからを生きる14歳に、そしてかつて14歳だったすべての人に届けたい一冊」というコンセプトで書かれた本で、ナイチンゲールやコロンブス、そしてハリーポッターの著者であるJKローリングなど、たくさんの偉人が紹介されています。
中でも長男はニュートンが印象的だったと話してくれました。
ニュートンがかの有名な万有引力の法則を発見したのは、大学で勉強していた時期では無く、ちょうどペストの流行により通っていた大学が閉鎖されたった一人田舎で引き籠っていた時期だったそうです。
なんだか、コロナで休校になり、そこから不登校になっている間に本が好きになった長男の境遇と似ている気がしました。
一人で、時間をかけて向き合ったからこそニュートンは世紀の大発見を成し遂げました。
長男も不登校期間中に長い長い一人の時間を過ごしたおかげで本が好きになり、自分自身のことをより深くできるようになりました。
「長い時間休む」っていうことは、マイナスになることばかりじゃない。
何かを生み出したいと思う時には、むしろ必要なことなのかもしれません。