不登校の海㊴ 繊細なままで
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
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繊細なままで
「人からどう思われるか気になって、やりたい事ができなかったり、言いたい事が言えなかったりする。」
当時の長男はまさにそういうタイプでした。
学校に行きたい気持ちはあるのに、どうしても人目が気になってしまって学校に行けない。
1日休んだだけで「学校を休んでしまった自分」が後ろめたくて、「学校を休んだこと、何て言われるだろう?」って考えると怖くて、また次の日も学校を休んでしまう。
そうやって不登校が始まりました。
もちろん本人だって「今日休んだら明日はもっと行きにくくなる」って、頭では分かっているんです。
でも、それでもどうしても勇気が出ませんでした。
それほどまでに学校へ行くことの不安や恐怖が大きかったのだと思います。
一方私自身は人目がさほど気にならない性格です。
だから、不登校になったばかりの頃の私は長男の気持ちに気づくことができず、やみくもに不安を打ち消す努力ばかりをしていました。
だけど、それは間違いだったと今は思います。
繊細で人の気持ちをすごくくみ取る長男は、どうやっても人目が気になるし、不安を感じやすいタイプの性格で、その性格を変えることはあまりにも難しいからです。
それに気づいてからは、努力する方向を転換しました。
人からどう見られるか?が気になったとしても、不安を抱えたままでも、「自分のやりたいことを実現する」という練習を始めたのです。
それが、自分の気持ちを言葉にして出すことであり、不安を抱えながらでも少しずつ学校に行くことでした。
人目が気になる性格を変えなくていい。不安を抱えたままでもいい。
だって、長男の達成したい目的はあくまで、「学校に行けるようになること」なのですから。
そして9か月後、長男は彼の目的を達成しました。
繊細で人の気持ちによく気が付く、優しい長男のままで。
だから、「人目が気になってしまう」「些細なことに不安を感じてしまう」それをネガティブに捉える必要は無いと思います。
たとえそういう性質を持っていたとしても「やりたいことを現実にできること」ができれば、ちゃんと人生の目的を果たすことはできるのだから。
私はこのことを、長男に教えてもらいました。