不登校の海④ 悪い予感
2020年5月、新5年生になったばかりの長男が不登校になりました。noteでは長男が9ヶ月かけて学校に復帰するまでの記録を公開しています。
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それは4年生の秋のことでした。
11月に私と長男と次男、3人でカンボジア旅行に行くことになり、日程の都合で3日間学校を休んだのです。
担任の先生にも了承を得て、長男も学校を休まないといけないことはわかっていたんですが、やっぱり少し不安そうではありました。
帰国した翌日は登校したのですが、その次の日は布団に潜ったまま起きてきませんでした。
どんなに諭してもその日は布団から出ることができず、学校はお休みすることにしました。
その日、休むことを決めてからは少し落ち着いたようだったので「旅行で学校を休んだことを、昨日誰かに何か言われたの?」と聞いてみました。
長男曰く「それは無い」とのことでした。
もしかしたら、誰にも何にも言われてなくても「なにか言われたらどうしよう」という不安が大きくなってしまっていたのかもしれません。
翌日は、私も付き添ったことで学校の応接室まで行くことができました。
応接室で担任の先生と話をすることで少し安心したようです。
結局そのときは1週間ほど付き添い登校を続けた後、通常通り登校できるようになりました。
理由も無く学校に行けなくなるなんて、長男にとっても私にとっても初めての経験でした。
カンボジア旅行自体はとても楽しんで、本人も「行ってよかった」と今でも言っていますが、登校への不安を強く感じるきっかけになったことは確かだと思います。
それから約2か月後、冬休みが明けた初日も、長男は同じように学校に行くのを渋りました。
11月のことがあったので、同じように私が応接室まで付き添い、この時も1週間ほどで登校できるようになりました。
先生と一緒に教室に入ってみたら、クラスの子たちが「あ、アケオメー」と何事も無かったかのように迎えてくれて、そのまま教室に入れたのだと、担任の先生が教えてくれました。
「教室に入るまでは不安だけど、入ってしまえば大丈夫じゃん!旅行や冬休みみたいにイレギュラーなイベントの後で日常生活に戻るときに、たまたま不安を感じただけだったのかな?」
当時の私はまだ、希望的観測も込めて事態を軽く考えていました。
ところが、その年はコロナウィルスの感染拡大により3月1日から突然休校になることが決まり、そのまま春休みに突入してしまったのです。
「アケオメー」と、長男を迎えてくれた4年生の友達とは突然離れ離れになって春休みを過ごしました。
長男はもともと友達と活発に交流するタイプでもなく、学童も習い事もしていなかったので、春休みは家族だけで過ごしていました。
そして本来なら新学期が始まる4月も休校になり、ようやく学校が始まったのは5月の半ば頃でした。
冬休みに10日ほど休んだだけで、1週間学校に行けなかった長男。
2.5ヶ月もの長い長い休みを経て、さらにクラスも変わって、そんな状況で果たして登校できるんだろうか…?
私の嫌な予感は、見事に的中してしまったのでした。
次の記事では、本格的に不登校が始まった日のことををお話しします。
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