作文の力~リアルの世界に引きずり出す
息子が中学生になるこのタイミングで、色々な問題点が表面化し、いつになく深刻になりがちでしたが、その不安がきっかけで彼にとって必要な要素が見いだされそれらをロープのように縒っているような感覚が出てきました。
ひとつは曽禰田先生の天真体道。
何か芯を持てたらなと思い、そして天真体道にはジャンプする動きがたくさんあるので息子に合いそうだと思い、事前に動画を見せたらやってみたいというので連れていきました。
先生は、やわらかければやわらかいほど「強くなる」、「感覚が鋭くなる」と言い、わかめ体操を教えました。息子のわかめ体操は突っ張っていて、味噌汁に入ってたら楊枝みたいな筋がありそうなわかめです。これが本物のわかめになったらどんな波も受け流せるしなやかな感覚を持てるのでは期待できます。曾禰田先生は身体のことにとどまらず、心、精神のあり方を伝えてくれます。お兄さんというには年がだいぶ違いますが、親ではない人が気さくな口調で話すのを息子は素直に聞いています。
つぎは息子の自由をくすぐること。
「考えて」とたくさん言うようになりました。「大人に言われたようにしかできないなんて、君はロボットかい?」なんて言ったり。
今日は実家に行く予定だったので、息子に一人で先に出るように言いました。JRで5分ほどの大宮に行き、乗り換えて東武野田線に45分ほど乗ったところに私の実家があります。大宮駅構内の地図と路線検索結果を印刷して説明し、「目と口と耳があれば大丈夫」と告げ、何かあったときのためにパスケースに千円札を入れてあげ、時計も携帯も持っていない息子を送り出しました。
気をもみましたが実家の最寄り駅に息子は無事着きました。
そして、やっぱり音読です。
今日はふたり声を合わせて「高砂」を読みました。
早めに切り上げ、サイコロに手を伸ばし暗算に入ろうとする息子を制止し、作文をやるよと言いました。お題はもちろん、今日の冒険です。原稿用紙に書く前にメモを作りましたが、さすが筋入りわかめの息子は自分の気持ちを「普通」というようにしか表せません。「ぼぼくんの気持ちをぼぼ君以上に知っている人はいないんだよ」などと言いながら、いろいろインタビューして答えたらそれらをメモに落とさせ、作文を書かせました。
書きあがったものを見たら、想像以上に上手でした。テンポよく短めの文を繰り出し、以前明らかにおかしかった日本語文法もずっとまともです。
たくさんほめて、ひらがなを漢字に直し、表現には手をつけず、日本語として通じづらいところを指摘し、「原稿料」として50円を渡しました。
私も毎日noteにこうして記事を書いていますが、毎日書くネタを探し神経を研ぎ澄ましています。それと同じ、作文を書くようになるとどんどん感性が磨かれていくはずです。そして書いたら誰かに見せることで自分の世界だけで終わりません。書くネタは外界のほうが圧倒的に多いです。たくさんの人にふれあうことで話題も増える。作文は息子をリアルの世界に引きずり出すよいきっかけになりそうです。
悩んでいるだけでなく、何かができてよかった。
息子よ、リアルを生きよ!そしてわかめであれ。