こどもの免疫力を上げるコミュニケーション、下げるコミュニケーション(1)
世界中でコロナウィルスが蔓延している中で、ウィルス感染を避けることのほうが困難になってきました。
そんな中での頼みの綱は、免疫力です。
きょうは、免疫力が弱い子どもやお年寄りのために、わたしたちができることのひとつをご紹介します。
赤ちゃんの風邪が急激に悪化して入院したー!と青くなっているご両親のお体を診ると、気になる歪みが発生しています。
その歪みとは、伝書鳩コミュニケーションの中でも最も致死率が高い、
『ペット型伝書鳩』です。
あなたはこんなコミュニケーションを目撃したことはありませんか?
「全く、パパって嫌でしゅねー。あんな言い方しなくてもいいのにねー」
「そんなことないよなー。ママだってこういうところあるのになー」
お互い言いたいことを直接言うのではなく、赤ちゃんやペットに話しかけるスタイルをとりながら、聞えよがしに相手に伝えるコミュニケーション。
真ん中にいる赤ちゃんやペットは、相づちひとつ打たず、ただそこに存在しているだけです。
このコミュニケーションに巻き込まれた赤ちゃんやペットの免疫力は、絶望的に下がります。
そんな時にウィルスに感染しようものなら、あっという間に命を落としてしまいます。
ではなぜこのコミュニケーションをすると、免疫力が下がってしまうのでしょうか。
それは、2対1のコミュニケーションになってしまっているからです。
どういうことかというと、
まず、1対1 で直接感情を伝える場面と、
2対1で感情を伝える場面を、見比べてみましょう。
【 1対1 で直接感情を伝える場面 】
ママ「パパのその言い方すごく嫌だからやめてほしいの」
パパ「そうかー?じゃあどういう言い方だったら嫌じゃないの?」
ママ「こういう言い方」
パパ「えー? めんどうくせー! でもまーわかった。できるだけそういう言い方にするようにしてみるよ」
ママ「ありがとう」
この例では、ママがパパに対して、嫌いと感じるポイントを 1対1 で伝えています。
ママが嫌だと感じていることは、ママの好みの問題です。
感情を 1対1 で伝えると、パパには、ママ好みの行動や言動に変える義務は発生しません。
パパには、その気持ちに、寄り添う寄り添わないを、選ぶ自由があるのです。
その中でパパが寄り添った部分が1割でもあったなら、それはママにとっては当たり前のことではないので、自然と有難いという感情が湧いてくるのです。
こういうことの繰り返しで、お互いの嫌だと感じることや楽しいと感じることを理解し合い、絆が深まっていくのです。
【2対1で感情を伝える場面】
ママ「全く、パパって嫌でしゅねー。あんな言い方しなくてもいいのにねー」
この構図は、『ママ&こども 対 パパ』という、2対1 のコミュニケーションになっています。
パパ「そんなことないよなー。ママだってこういうところあるのになー」
この構図は、『パパ&こども 対 ママ』という、2対1 のコミュニケーションになっています。
ママが嫌いと感じていることは、ママの好みの問題です。
それなのに、感情を 2対1 で伝えると、パパには、ママ好みの行動や言動に改善しろという、義務のような圧力が発生してします。
パパには、ママの気持ちに寄り添う寄り添わないを選ぶ自由はありません。
パパがママの気持ちに寄り添ったら、100点。
もし寄り添わなければ減点される。そんな空気になるのです。
ではなぜ、2対1で感情を伝えると、こんなことになってしまうのでしょうか。
実はわたしたちは、複数で何かを行うと、支配の感情が湧いてくるのです。
動物の体は、同じパターンが繰り返されると、後天的条件反射が出来上がります。
有名なものでは、パブロフの犬の実験です。
犬に餌を与える時に必ずベルの音を鳴らしていると、やがてベルの音をきくだけで唾液を分泌するようになるというもの。
そして人間は、太古の昔から、生活のための狩りをするときは、チームを組んでいました。
チームで狩り。チームで狩り。チームで狩り。
このパターンを繰り返すことによって、複数で同じ目的を果たそうとすると、体は、
「あ、今、狩りがはじまった」と思うのです。
そして、狩りに適した体に変化します。
その代表的な変化は、獲物を支配しようとする感情の発生です。
釣り人が魚を釣った時、その魚を海や川に戻すのか、殺して食べるのか、100%釣り人の権限で決めます。
それは、完全なる支配です。
さらに体が狩りモードに入ると、獲物の痛みに鈍感になります。
狩りとは、獲物を殺生して食べることです。
獲物の痛みに心が痛んで殺生できなければ、群れの人々が飢えて滅んでしまいます。
学校のいじめが狂暴化するのは、このシステムが働くからです。
ですから、感情を伝える目的のために、2対1の形をとると、それは相手を支配するコミュニケーションになるのです。
この支配する相手が、獲物であれば何の問題もないのですが、
夫や妻であった場合、お互いを支配し合う関係になってしまいます。
これは言い換えれば共喰いです。
この時、パパとママは孤独の中にいます。
家族という一番近い存在が、敵になっているからです。
そんな時、こどもの体は、どうすれば大好きなパパとママの絆を守れるのかを考えます。
2対1の構図は、3人以上で成立するコミュニケーションです。
2人しかいなければ、2対1になりようがありません。
こどもの体は、自分の存在が、パパとママを1対1で向かい合うことの障害になっていると判断することがあるのです。
そして、大好きなパパとママを孤独から救うために、自らの骨を歪ませ、免疫力を低下させ、命を絶とうとします。
さて、ここまで読み進めたかたは、こどもの免疫力を上げるために必要なコミュニケーションの形が見えてきたのではないでしょうか。
次回は、1対1のコミュニケーションに持っていくコツをお話しいたします。
つづく