ビジネスにはストーリーが欠かせない!?個人起業家・経営者こそストーリーテーリングが必要な訳とは
半年位前から、地方の女性向け求人メディアで、音声をもとにしたWeb記事を執筆しています。
インタビュイー(話し手)の多くは、サロンや雑貨店など、個人で経営をする女性起業家さん。中には、高校卒業後すぐに未経験で飲食店を起業したり、4人の子育て&介護を経験して10年後に自分のお店を構えたりなど強者もいます。
もちろん、起業の経緯やサービスへの思い、今後の展望などは千差万別です。インタビュー音源にこめられた、その方の人生に思いを馳せながら、毎回原稿にしています。
そして、記事を書き終わる頃には、話し手のファンになっている自分が。見ず知らずの方なのに、お店に行ってみたいとさえ思うのだから不思議ですよね。
ストーリーテーリングでビジネスは変わる!?
話は変わり、先日ある女性起業家の方にすすめられてこちらの本を読みました。
ちょうど冒頭で述べたような記事や社長インタビューの仕事が増えてきたタイミングだったので、何か参考になるかもしれないと読み始めました。
本書では、ストーリー(物語)仕立てにした広告やマーケティング施策が、ビジネスに及ぼす効果を、具体的な事例とともに語られていました。
確かに、ここ数年「ストーリー」という言葉は私たちの生活において存在感を増しています。ライターのお仕事でも、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」の文章作成、採用SNS「Wantedly」での求人記事、noteを通じた企業の発信でも、ストーリーを語る仕事が極端に増えました。
もはや、人はストーリーなしでは動かないのかもしれない。とはいえ、なぜ人がそこまでストーリーに心動かされるのかが私には分かりませんでした。
著者のキンドラ・ホール氏は、ストーリーテリングが人の脳に及ぼす影響についてこのように述べています。
また、脳内に分泌されるオキシトシンはHOME(ヒトオキシン媒介共感)とよばれる別の回路も活性化するんだそう。HOMEでは、記憶の強化に関わる神経物質のドーパミンが使われるため、魅力的なストーリーを見聞きするたび、脳に刺激が伝わります。そのため「ストーリー」は長く人の記憶に残るらしいのです。
ストーリーテーリングの効果が科学的にも証明されていることは初めて知りました。
しかし一方で、キンドラ・ホールによると平凡なストーリーでは意味が無いと言います。人の記憶に残り行動を変えるだけのストーリーには、下記の4つの要素が欠かせないのだそうです。
具体的な内容は本を読んで欲しいのですが、戦略的な「ストーリーテリング」に基づくマーケティングや広報施策は、ビジネスを加速させる1つの手段となることが改めて分かりました。
短い文章でも伝わりやすいストーリーを書くコツは?
話は、私が請け負っている地方の女性向け求人メディアの記事の話に戻ります。
「ストーリーテリング」を読んで、改めて自分の記事を見直すと、すでに原稿を書く中で意識的に取り入れている要素もあれば、今後取り入れたいなと思う要素もありました。
話し手の人生に共感してもらうために、インタビュー記事を私が書く上で意識していることは、下記の3点です。
1.時間軸を分かりやすく
通常、インタビュー記事は、現在(概要ふくめ)→過去→未来と描写されるのが一般的です。もちろん何万文字にも渡る大作の場合は別で、トピック(見出しごと)に過去・現在・未来を行ったり来たりすることもあります。
しかし、文字数が限られている場合、読者を混乱させないため&時間軸の説明を省略するためにも「過去→現在→未来」のようなシンプルな形で表現する方が私は良いと考えています。
2.「転機」を明確に。苦労話に人は惹かれる
2つ目転機を分かりやすく書いてあげることです。創業ヒストリーには必ずといっていいほど「転機」があります。事実に基づきながらも、(頭で情熱大陸の音楽を流しながら)できるだけドラマチックに書くように心がけています。
トラブルや苦労話も忘れません。知られざる困難があった方が、「成功しているように見えても、これだけ努力していたんだ」と共感力が上がるからです。そして、「私にもできるかもしれない」と感じてくれたら万々歳です。
3.具体例を2つ以上あげる
少ない文字数の場合、情報をまとめていれるだけでも苦労しますが、あまりに抽象的な内容だと、読んだ後に何の印象も残らない記事になってしまう恐れもあります。
例えば、「飲食店を起業するために並々ならぬ行動力を持つ方」という事実を伝えたいのであれば、「理想とする味を求めて○種類以上開発、全国○箇所の有名店を調査」など、具体的なエピソードを盛り込みます。そうすることで、読者がより想像がつくように、情景を描写していくのがよいでしょう。
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ちなみに、私が執筆しているメディアの運用目的は、運営する求人サイトからの応募を増やすことです。「自分もインタビュイーのように働いてみたい」と思う女性を増やし、結果的に応募数増加につながれば目的達成です。
一方で私個人としては、それだけでは終わりにしたくないとも考えています。決して容易ではないですが、読者がインタビュイーに興味を持ち、結果的にファンの増加や売上拡大につながる記事を書きたいと考えています。
まさに「ストーリーテーリング」でによって商品・サービスを提供したい人と欲しい人をつなぐ。そんな記事を今後も書いていきたいです。
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