LIFEオススメ本:おっさん社会が生きづらい
「おっさん」という表現を、男性は恐れているらしい。
私自身医師という男性が多い業種ではあるが、男性社会と捉えたことはあるものの「おっさん社会」と考えたことはなかった。
今回紹介する本。
「おっさん社会が生きづらい」
タイトルからして、なかなかパンチがある。
これを読むことになったきっかけは、友人の紹介。
おっさん社会って、具体的には?
という女性側から見た痛快さを期待する気持ちと。
おっさん社会が自分に染みついている可能性があるのか?
という、自分にブーメランが返ってくるとも限らない怖いもの見たさ反面、という感じ。
読みながらまず感じたことは、男尊女卑の思考が私にもしっかり刷り込まれていたこと。
無意識に、男性から、自分は評価される側と思い込んでいた。
自分の気づいていなかった捉え方の枠に気づけるというのは、大きい。
本書は、ジャンルの違う5人とのそれぞれ対談形式で進みます。
小児科医の熊谷さんの探索戦略と搾取戦略の話は、自分自身や子育て、周囲との関わり方を捉え直す視点が増える。
これは、当事者である熊谷さんだからこその視点がものすごくリアルで腑に落ちる。
小説家の平野啓一郎さんの、
「知的になると傷つかない」にはしびれた。
友人に勧められた平野さんの本を買いました。楽しみで仕方ない。
最後に、社会学者の上野千鶴子さんとの対談。
あ、上野さんはあの有名な東大のスピーチを読まれた方なのか…と知り、読み返した。
あの、というのは、医学部受験で内々に女性の受験者が不条理に減点されていたことが引用されていたスピーチのこと。
あの時、私はこの件に対してなんと言っていいのかわからなかった。
今、時を経てこれについて思うことを、いつか書こうと思う。
上野さんとの対談では、おっさんと対峙する筆者の小島慶子さんの乙女さが露呈する面も。
人は、玉ねぎの皮を剥くように実は異なる内面が隠れていることがあるのが面白いところ。
最後に、1番面白かった視点。
大学生に、自分の性別と違う性別だったらどんなキャリアを描くか、のような質問した時の回答が興味深すぎた。
女性だったら〇〇する。
男性が、何と答えたかわかりますか?
私は想像した事と全く違いました…!
また数年経って、読み返して、自分がその時どう思うか確かめたい本。
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