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ヨーロッパビジネスにおける法と実務

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アメリカにおける政治的先行き不透明感などから再び欧州におけるビジネスの重要性が高まっているなか、日欧EPAの大枠合意もなされたことに、今後一層、欧州とのビジネスが加速していくもの…
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#著作権法

ALAI 2017 Congress(国際著作権法学会) Copyright-to be or not to be@Copenhagen

5月18日から20日まで、デンマーク・コペンハーゲンで開催されたALAI congress(国際著作権法学会)に参加してきた。 この会議への出席は、日本での京都開催を含めて昨年のローマ、そして今回と3回目になる。 今回は、著作権の正当化根拠や経済学的側面からの著作権の検討、そして北欧開催ということもあり拡大集中許諾制度に関する議論がなされ、内容は多岐に渡った。 いくつかの発表には示唆的なコメントもあり、得るものもあった。 とりわけ、最近のCJEU判決は、予見可能性が乏

ミュンヘン大学EU著作権法シンポジウム-Online Platforms and Intermediaries in Copyright Law

3月27日、28日の2日間にわたって開催されたミュンヘン大学主催のEU著作権法シンポジウム。 私が所属するマックスプランク研究所からも徒歩の距離で開催されたこのシンポジウムは、非常に豪華な内容であった。 シンポジウム1日目

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【ドイツ知財実務】違法ダウンロードを巡る裁判の法と実務②-証拠収集と警告書送付の実務

前回は、違法ダウンロード事件をめぐる裁判管轄の問題、そして立法による手当、ドイツの法廷について書いた。 今回は、実際にどのような手続きで違法ダウンロード事件が進められるのかについてドイツ著作権法の関係条文を参照しつつ、証拠収集、警告書送付の実務について書いてみたい。 また、併せて警告書の記載内容、弁護士による費用請求の制限について、ドイツが違法ダウンロード事件数の減少を意図して度重なる法改正を行っているが、その法改正の結果どういった内容となっているのか、そしてこの改正の結

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【ドイツ知財実務】違法ダウンロードを巡る裁判の法と実務①-裁判管轄をめぐる問題/ドイツの法廷

日本でも権利者の許諾なきコンテンツのダウンロードについては、民事・刑事ともに違法となる立法がなされて久しい。 しかしながら、日本では私の知る限り、違法ダウンロードで民事・刑事ともに裁判になった事例はないと思われる。 他方、日本よりもはるか前に違法ダウンロードに関する規定が著作権法で定められているドイツでは、多数の違法ダウンロード事件が存在する。 そして、その一因に弁護士の存在があるといっても過言ではないだろう。ドイツの法律事務所のなかには違法ダウンロード事件を専門に扱う

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【第4次産業革命と法】EUが描く「ロボット、AIと法」

ドイツの状況に続いて、EUレベルにおける検討状況を述べたいと思います。 EUに関しては、今年に入って、EU議会がロボット法の制定に向けて動きだしているとの報道がいくつかなされていました。 では、EUレベルでは、「ロボット、AIと法」といった切り口で具体的な議論が進んでいる状況ですが、どこで議論がなされ、どの程度まで議論は進んでおり、どのような立法がなされる見込みでしょうか。

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【第4次産業革命と法】ドイツの第4次産業革命はどこに向かうのか

これから少しずつ、欧州のイノベーションとリーガルシステムについて書いていきたいと思います。 イノベーションというとAI(人工知能)やロボット、Internet of things(IoT)といったキーワードを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 まず、今回はドイツの取り組みを記載し、次回でEUにおける検討状況を記載したいと思います。

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