マルタ・ゴゾ島でシャーラの村に滞在しよう
私はマルタが大好きですが、姉妹島ゴゾは特に好きです。
マルタ島の北西に位置する小さな離島で、中央から離れている分、より自然が豊かで牧歌的な空気を感じられます。
マルタ島の半分以下の面積の小さな小さなゴゾ島ですが、その表情は豊かで、地域によって多彩な魅力が見られます。
巨大な城塞が見下ろす州都ビクトリア、リゾート地シュレンディ、港を臨む岡の上の町アインシーレム...…
そんなゴゾ島で私が特に魅了された地域は、内陸部のシャーラの村です。
小さな村ながら、このエリアには観光客が観るべき「スポット」も存在しています。
今回は、ゴゾ島・シャーラの村をピンポイントで紹介したいと思います。
シャーラの村ってどんな所?
シャーラの村へ来てみたら、とにかくほっとして癒されるんじゃないかと思います。
文字通り都会の喧騒を離れ、澄んだ空気が流れているからです。
村の中心広場から離れると、民家が並んでいるだけで、ひたすら田舎道が続いています。
そんな牧歌的なシャーラを象徴する建築物が、タ・コーラ風車です。
タ・コーラ風車は1725年、ヨハネ騎士団アントニオ・マノエル・デ・ヴィリェナによって建てられました。
その後200年以上操業を続けてきましたが、ゴゾ島最後の粉引きが亡くなると、1992年に博物館となりました。
そしてタ・コーラ風車から100m程離れて、世界遺産・巨石神殿群の一つ「ジガンディーヤ神殿」が建っています。
田園地帯の小さな村ですが、世界遺産が存在する、観光地としても価値のある村なのです。
時折、遺跡を見学に来た観光客が、村のバス停でバスを降りていきます。
ゴゾ島・シャーラへのアクセス
ゴゾ島へ渡るにはまず、マルタ島北端のチェルケウア港からフェリーに乗ります。
乗船時間は25分です。
フェリーはゴゾの港イムジャールに到着します。
ゴゾ島内にも、マルタ島同様路線バスが巡っています。
島内移動はほぼバスで事足りますが、ほとんどのバスは州都ビクトリアのバスターミナルから発着します。
イムジャール港~ビクトリアまで#301バスに乗車、ビクトリア~シャーラの村までは#307バスに乗り換えます。
シャーラの素敵なホテル
シャーラの村のお気に入りホテルは「コルヌコピアホテル」です。
シャーラへ来たらここ!とほぼ決めています(笑)
最後に訪れたのは2023年1月でした。
以前、マルタのホテルレビューの記事でも紹介させていただきました。
コルヌコピアホテルは、古いファームハウスを改装したホテルです。
タ・コーラ風車のある村に、大きなファームハウスが佇んでいた...…
シャーラの村は、よく栄えた農村だったのかもしれません。
コルヌコピアホテルは、村の中心広場から徒歩10分くらいの所に位置します。
道程には標識が出ていて、ホテルの方向を示してくれているのでわかりやすいです。
間取りのゆったりしたコルヌコピアホテルでは、時間がゆっくり流れています。
コルヌコピアホテルの1階にはレストランが入っています。
レストランでは、ウサギのグリルやウサギ入りパスタ等の郷土料理を提供しています。
ホテルの周りには何もないので、宿泊客の多くは、このレストランに食事にやってきます。
(朝食も同じレストランで提供されます)
私がレストランで一人夕食を楽しんでいると、そこへドイツ人のおじさん2人組がやってきました。
そのうちのひとりが、私を見てカタコトの日本語で話しかけてきました。
彼の名はミヒャエルさんといい、日本に駐在経験があるとのことでした。
連れの名はトーマスさんです。
彼らはちょうどリタイア後の旅行をしているところで、ゴゾには1週間ほど滞在してトレッキングを楽しんでいると言いました。
彼らとは、滞在中何度か館内で会うことになりました。
翌日の朝食もその後の夕食もレストランで遭遇し、いつの間にか打ち解け、同じテーブルで一緒に食事をするようになりました。
「やっぱり日本は高いよ」
日本駐在経験のあるミヒャエルさんは、ある時こう言いました。
昨今、円安だデフレだと言われている日本ですが、外国人目線では日本の物価はまだ高いのでしょうか。
JUNJUN「そうかなあ?」
ミヒャエル「新幹線とか、寿司とかさ。どこで買うかにもよるけどね。寿司はスーパーで買えば安いけど、お店で食べたら高いよ」
JUNJUN「特に銀座はね」
ちなみにミヒャエルさんは、新幹線に乗る時は外国人向けのパスを使用しているそうです。
JUNJUN「新横浜から広島まで新幹線で往復したら、300ユーロ近くするよ(今のレートだと250ユーロくらいか)」
ミヒャエル「そうだろうね」
うーん、やっぱりまだまだ日本の物価は高いかもしれない……
外国人目線での日本がどう見えているか聞けるのは、いい経験となりました。
このように見知らぬ者同士が出逢って打ち解けられるのは、コルヌコピアに開放的な空気が流れているからかもしれません。
以前滞在したときも、レストランでカナダ人の叔母さん&姪っ子の旅行者コンビに出逢って、一緒に食事をしたことがあります。
特に叔母さんの方が気さくな人で、にぎやかな食事になったことを憶えています。
まさに旅は道連れ。
コルヌコピアは、素敵な出逢いをもたらしてくれる場所です。
……そんなコルヌコピアホテルで朝を迎え、客室で身支度をしていたときのことです。
朝から思いがけないお客様の訪問です。
実はこの子、ホテルの敷地に出入りしている猫の1匹なのです。
コルヌコピアは昔から、人ばかりか猫が集まるホテルでもあります。
というか、シャーラの村がとても猫の多い地域です。
まさに、「猫の楽園」マルタを象徴するかのよう。
次回はシャーラの「村猫」について、詳しくお話したいと思います。