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世界の猫天国から~第三弾・西ヨーロッパ編
世界の猫天国を、エリア別に取り上げて総評する企画の第三弾です。
今回のエリアは、西ヨーロッパ方面。
猫の楽園というと、どうしても温暖な土地のイメージがあります。
冬の冷え込みの厳しい西ヨーロッパは、そのイメージとは程遠いですが、実はなかなか印象的な猫スポットや、猫の街があるのです。
ドイツ・ロマンチック街道
猫遭遇率 ★3
アクセスのよさ ★2.5
旅しやすさ ★3.5
ドイツの観光名所・ロマンチック街道。
ヴュルツブルクからフュッセンまでをつなぐ、約400㎞にも及ぶ街道で、ルート上には中世の街が点在しています。
意外に思われるかもしれませんが、ロマンチック街道の中世の街は、けっこう猫遭遇率が高いんですよ。
ネルトリンゲン
そのロマンチック街道の中世都市の一つ、ネルトリンゲン。
この街のある場所には、有名な「看板猫」が棲んでいます。
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ネルトリンゲンは、城壁に囲まれた円形の街。
なぜきれいな円形をしているかというと、かつて隕石が落下したあとに造られた街だからです。
その円のほぼ中心に建つ、聖ゲオルク教会。
聖ゲオルク教会には、「ダニエル」と呼ばれる89mの高さの塔が聳えています。
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Windgäßchen, 86720 Nördlingen, ドイツ
中へ入ってみると、木でできた階段がはるか上へと伸びています。
最上階まではなんと、350段もの階段が続いているのです。
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階段を上り切ると、小部屋がありました。
小部屋にはカウンターがおいてあり、塔の番人の部屋だな?とわかりました。
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右上に料金表が貼ってあるとおり、塔の入場料はここで支払う。
私は番人のおじさんに入場料金を支払いました。するとその時、部屋の中に別の者の気配を感じたのです。
その正体は……
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彼女の名は、ヴェンデルシュタイン(Wendelstein)。
ヴェンデルシュタインは、2009年頃から塔に棲みついたノラ猫でした。
それ以降、350段の階段を上り下りして塔に出入りし、番人の部屋に現れたり、塔に勤務する職員になつくようになりました。
塔ではハトやネズミを追い出したり、観光客の先導役を務めるようになり、その功績を認められたヴェンデルシュタインは、市の猫職員の称号を与えられ、250~300ユーロ相当のキャットフードを給与として支払われるようになりました。
名実ともに、ダニエルの顔となったのです。
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として広く知られるようになった。
多くの観光客が、彼女に逢いにダニエルの階段を上ってくる。
ネルトリンゲンを訪れたら、ぜひダニエルの最上階の部屋まで行ってみてください。
かわいい三毛猫の市職員が、はるばる訪れてきた旅人を出迎えてくれるでしょう。
そしてもう一つ、塔の最上階から見下ろすネルトリンゲンの景色は最高です。
こちらも忘れずに、展望台から観賞して行ってください。
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ネルトリンゲンでは、ダニエルの真ん前のホテル「カイザーホフ ホテル ゾンネ」に宿泊しました。
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Marktpl. 3, 86720 Nördlingen, ドイツ
そしたらなんと、このホテルが猫屋敷だったのです!
ホテルの中を探索していたら、中では複数の猫たちが暮らしていることがわかりました。
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ここの猫は基本的に裏庭で過ごしていることが多いらしい。
ダニエルの塔では有名な看板猫に逢えて、宿泊したホテルでも猫たちと触れ合い、小さな町ですが、ネルトリンゲンでの猫旅は充実したものになりました。
ローテンブルク
ロマンチック街道でも人気の高い、「中世の宝石箱」ローテンブルク。
私も大好きな町で何度も訪れましたが、行くたびによく猫に逢います。
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日本人の店員さんによると、親子だそう(茶トラが父、キジ猫が娘)
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家の窓の下でスヤスヤ昼寝しているキジ猫
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特に気候の良い夏場は、町を歩いているとひょっこり猫が出現する確率が上がります。
地域猫かどこかの飼い猫かはわかりませんが、毛並みのよいきれいな猫が多かった印象です。
ローテンブルクにしてもネルトリンゲンにしても、中世の町の石畳を猫が通り過ぎる姿は絵になります。
美しい町並みをうまく背景に取り入れられれば、「映える」猫写真が撮れること間違いありません。
ロマンチック街道へのアクセスは、日本から国際線が就航しているフランクフルトまたはミュンヘンが拠点になります。
夏場はフランクフルト~ミュンヘン間を、ロマンチック街道バスがつないでいて、ルート上の各都市に停車します。
このバスを利用すれば、町から町への移動も楽です。
問題はバスが運休する冬場で、そうすると公共交通機関はローカル鉄道のみとなりますが、これが少々厄介です。
鉄道が通ってない町もある上、ローカル鉄道はロマンチック街道を移動する上では勝手が悪いのです。
直線距離で40㎞くらいのネルトリンゲンからローテンブルクへ移動するのに、鉄道だと3回の乗り換えを要します。
2023年のロマンチック街道バス運行期間は、3月7日から9月24日です。
この期間にドイツ旅行へ行く方は、ご参考までに。
ドイツはクリーンで治安良好、英語の通用度も高いので、交通機関さえうまく使いこなせれば、快適な旅ができますよ。
アイルランド・キルケニー
猫遭遇率 ★3
アクセスのよさ ★2.5
旅しやすさ ★4
次は、アイルランドの中世都市キルケニー。
アクセスは、首都ダブリンからバスで2時間弱です。
日本からダブリンまでの直行便はありません。
エミレーツ航空、トルコ航空、エティハド航空等中東系か、ルフトハンザドイツ航空、ブリティッシュエア、エールフランス等ヨーロッパ系キャリアで乗り継いで来ることになります。
キルケニー旧市街
キルケニーなんてあまり日本人には馴染みのない土地ですが、一度行ったら惚れてしまうくらい、かわいらしい中世の町です。
アイルランドは治安がよく、公用語は英語なので、初めてでも旅しやすい土地柄と言えます。
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こじんまりとした街なので、旧市街は1日あればほぼ見て回れます。
そしてこのキルケニー、猫遭遇率が高く、「猫の街」と言われています。
猫遭遇ポイントの一つは、旧市街の北端にある「聖カニス大聖堂」です。
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Coach Rd, Gardens, Kilkenny, アイルランド
聖カニス大聖堂の敷地では、高確率で猫が出現します。
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そわそわしていると思ったら、獲物を狙っていたらしい?
よって猫歩きするには、まず聖カニス大聖堂を拠点に行動してみましょう。
キルケニーは中世都市らしく、メイン通りの裏には、細い石畳の路地が続いています。
こういう裏通りに入っていくと、ばったり猫に遭遇する可能性が高いです。
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この子がまた人懐こく、人の顔を見て挨拶しにきてくれたのだ。
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この子はシャイだった。
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ホテルに棲みついているのかどうかは不明
キルケニーでは中世の街並みを楽しみながら、街の隅々まで歩いてみましょう。
思いがけないところから、かわいい猫が顔を出してくれるでしょう。
キテラーズ・イン
キルケニーの文化には、「猫」が浸透しています。
例えば、キルケニーで最も有名なパブ「キテラーズ・イン」
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St Kieran's St, Gardens, Kilkenny, アイルランド
ここは14世紀に、魔女と呼ばれた「アリス・キテラー」が住んでいた家をパブに改装したものです。
なぜ魔女と呼ばれていたかというと、彼女の夫たちが次々と、遺産を残して不審な死を遂げたことで、疑惑を向けられたと言われています。
そのアリス・キテラーが黒猫をかわいがっていたとの言い伝えがあり、店の看板が黒猫になっています。
ちなみに、黒猫はアイルランドでは幸せの象徴だそうです。
キテラーズ・インは、ドリンクも食事もデザートも申し分ないくらい美味しい上、店内ではアイリッシュ音楽の生演奏を聴かせてくれます。
キルケニーを訪れたら、一度は足を運びたい店です。
キルケニーキャット
そしてキルケニーでは、猫があるスポーツのマスコットになっています。
ハーリングというゲーリックスポーツです。
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ハーリングとは、ホッケーのようなバットで野球のようなボールを運び、お互いのゴールにシュートを叩きこんで得点を競う、ホッケーと野球とサッカーを足して3で割ったような競技です。
試合を観てみたい人は、YouTubeで「Hurling」で検索してみてください。
ハーリングは春にシーズンスタートし、夏を迎え、秋にクライマックスとなる大きな試合を開催します。
日本のプロ野球と同じような流れですね(笑)。
ハーリングは地域ごとにチームがあって競い合っていますが、キルケニーのチームは「キルケニーキャット」と呼ばれています。
これはマザーグースに登場する「キルケニーキャット(2匹の戦う猫で、最後にはお互いしっぽだけになってしまう)」から来ているもので、しっぽになっても戦うという意味が込められているそうです。
そして、チームマスコットも猫をモチーフにした「キルケニーキャット」。
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シーズン中には、街中あちこちにキルケニーキャットが飾られます。
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黒と黄色なのは、キルケニーの州旗の色だから。
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緑の壁の店のショーウィンドウにいる
独特の表情で、愛嬌があってかわいいですね。
私も欲しくなっちゃった~!というときは、下記のお店で販売されています。
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26 Rose Street, Kilkenny, Ireland
街を流れるノア川を背に、キルケニー城を左手に見ながら歩いてきた通りに建つ小さなお土産屋さんです。
私も購入してきました(笑)。
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おなかにちゃんと「KILKENNY CATS」と書いてあるので、いい記念になるんですよね。
残念ながら、私はまだハーリングを観戦していません。
この次キルケニーに行ったら、ぜひシーズン中に訪れ、キルケニーキャット片手に試合の応援をしたいと思います。
……いかがでしょうか?
西ヨーロッパの国と地域は、南国のようにいっぱい猫がいる感はないですが、中には一度行ったら忘れられない、個性的な猫の街や猫スポットもあるのです。
美しい街の景観と伴に、個性あるかわいい猫の姿をカメラに収めにいきませんか?