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【マルタの猫スポット】ゴゾ島・シャーラの村は最後の猫の楽園かもしれない

脱走した我が家の愛猫を連れ戻し、2週間ほど経ちました。
今では猫も私達家族も、何事もなかったかのように、すっかり元の日常に戻っています。

愛猫家の私は、日常を離れた旅先でも、つい猫を求めてしまいます(笑)

何度もネタにするくらいマルタが好きな理由も、マルタが猫の楽園であるところが大きいです。

そのマルタには有名な猫スポットも存在していて、愛猫家や観光客を呼び寄せています。

マルタの猫スポットについてはこちら↓


私もそのような場所には何度も足を運びましたが、マルタの地と猫を愛する者としてより喜ばしいのは、地方の穴場的な猫スポットを見つけたときです。

まるで自分だけの猫スポットを開拓したかのような、謎に誇らしい気分になります(笑)

今回の舞台は、以前の記事で紹介した、マルタ・ゴゾ島のシャーラの村です。

シャーラののどかな村には、多くの猫が暮らしています。
しかも、みなのんびり緩やかに我が道を生きている感じ。

シャーラ自体が大きな猫スポットと言っても過言ではありません。

今日は、そんなシャーラの村猫について語りたいと思います。



シャーラの猫屋敷

まず、シャーラの村へのアクセスは次の通りです。

  1. マルタ島北端のチェルケウア港からフェリーでゴゾに渡る

  2. ゴゾ島イムジャール港に到着し、下船したらバス#301にてゴゾ州都ビクトリアのバスターミナルへ

  3. ビクトリア・バスターミナルでバス#307に乗り換えシャーラまで

イムジャール港からバス#322でシャーラまで直行できますが、本数は多くなかったと記憶しています。

そのシャーラへの直近の訪問は、2023年1月のことでした。

シャーラのバス停でバスを降りた私は、スーツケースを引きながら、予約した「コルヌコピアホテル」への道を歩いていました。

バス停からホテルまでは徒歩10分程度です。

ホテルまでの道程で、角にある大きな家の前を曲がった時のことです。

家の門の前で、数匹の猫が固まっているのが目に入りました。

こちらの立派な家の敷地には猫たちの姿が

この家の飼い猫たちかな?と思って家の前を通り過ぎようとすると…

軒先の猫たちが、いっせいにこっちを振り返った!


なんと、立派なお家の周りには、猫屋敷のように猫がいます!

門から出てきて様子を伺っている
人懐こそうな子も(笑)
彫刻と並んだ猫が絵になる
ガレージの扉からも猫が出入りしていて、周りにはベッドや皿が置かれていた
子猫の姿も何匹か見られた


私は、その猫の多さに圧倒されました。

その時、ちょうど家の奥様が出てきたので、私は
「この子たちはお宅の猫ちゃんですか?」
と訊いてみました。

奥様は
「そうよ」
と答えながら、家の周りの片付けを始めました。

私は奥様の許可を得て、猫ちゃんたちを撮影させてもらいました。

これは私の想像ですが、おそらく「この家の猫ちゃんたち」には、近くに棲みついた地域猫も含むと思います。

向こうの人は、自分たちが世話している外猫も「うちの子」と呼ぶことがあるからです。

こちらの猫屋敷を始めとして、コルヌコピアホテルへの道のりには、大きくて立派な家が並んでいます。

田舎で土地が広いからか、どの家も敷地がゆったりしているのです。

そして広い家の間からは、時々猫の姿が垣間見られます。

どこかからニャーニャー声がすると思ったら、家と家の間の細い通路に猫がいた
目が合って一瞬怪訝な顔をしたと思ったら…
また突然…
声を絞り出し…
訴えるように鳴きだした
何か主張したいことがあったのだろうか?


この通りは、大変猫との遭遇率が高いです。
散歩する間に、何匹の猫に逢えるか数えてみるのも楽しいでしょう(笑)

通りの塀の下から覗いていた猫
塀の上の石垣からも、よく猫がこちらを伺っている(笑)
朝・夕に通りがかると、猫のごはんタイムによく遭遇する
地元の人がごはんの面倒を見ているのだろう


コルヌコピアホテルも猫屋敷

私は今夜のお宿である「コルヌコピアホテル」に到着しました。

コルヌコピアホテル
10 Gnien Imriek Street, Xaghra, Gozo XRA 1521 マルタ


古いファームハウスを改装した素敵なホテルです。
私の押しホテルでもあります。

そのホテルの向かいの空き地に、3匹の猫の姿がありました。

空き地の猫たち
別の方から茶トラも現れた

木で爪とぎ
みんな毛並みがきれいだ


私は、この子達はホテルの敷地を縄張りにしてる猫じゃないかと思いました。

すると案の定…

翌朝、館内に入って廊下をうろつくキジ猫を発見
とぼとぼとプールサイドにやってきたキジ猫
様子を見ていると、プールの水を飲み始めた!
塩素臭くてまずそうだが……
プールサイドの塀に茶トラも
プールサイドは猫にとっても憩いの場?
プールサイドの植え込みにカリカリが置いてあって、それを食べていた


キジ猫が一番頻繁に、ホテルの敷地へ出入りしていました。

そしてこのキジ猫、スタッフの優しさのせいもあってか、相当人慣れしているようです。

ある朝、客室の扉を開けると……

ドアの外にキジ猫がお目見え
そのまま部屋へ入ってきてしまった
スーツケースにスリスリしたりとやりたい放題(笑)

この子にとっては、客室も含めたホテル全域が縄張りのようです。

コルヌコピアホテルに宿泊の際は、猫が部屋に入ってきてしまうかもしれないのでご注意ください(笑)

後でホテルスタッフに
「ホテル内で猫を見かけました。誰の猫ですか?」
と尋ねると、

「誰の猫でもないよ。ただ、スタッフで面倒をみているよ」
と答えました。

やはり、カリカリもスタッフが用意していたようです。


以前コルヌコピアホテルに滞在したときは、敷地に茶トラ猫がいた
この子も相当自由な猫だった
館内に入ってきては、このように廊下やプールサイドを自由に歩きまわっていた。
あまりに頻繁に見かけると思ったら、なんと似たような茶トラが2匹いた!
スタッフも、彼らの行動は容認していたようだ。
今回の訪問で、もしかしたら再会できると思っていたが、残念ながら叶わなかった

コルヌコピアホテルでは、いつの時代も自由猫が出入りして、皆でそれを見守っています。

ホテルの近くの道端で、かつてのとそっくりな茶トラ猫たちがいた
あの子たちの血縁・子孫だろうか?

めちゃくちゃ人懐こい長毛猫の思い出

この時の訪問から遡ること5年前、2018年にシャーラの村に滞在した時のことです。

コルヌコピアホテルへ向かう途中のあるお屋敷の前で、それはそれは人懐こい長毛猫に出逢いました。

その子は1軒の家の軒先の、椅子の上で昼寝していました。

あの立派な家の軒先に1脚の椅子が置かれ、そこに猫が昼寝しているのがわかるだろうか


 立派な容姿だったので目につきましたが、私は
「あ、この家の飼い猫かな?」
くらいに思って通り過ぎようとしました。

すると……

突然目を覚まし、椅子から飛び降りて……
おもむろに駆け寄ってきて、スリスリを始めた
なおも訴えるような目つきで見上げてきて…
今度は足元でゴロンとおなかを出して転がった
私が立ち去ろうとしても、なおも道の真ん中で立ち止まり、名残惜しそうに見つめている


なんと初対面の私に対し、熱烈なスリスリと熱視線で、目一杯愛情を表現してくれたのです。

通りがかりに猫様から、このような熱烈な歓迎を受けたのは初めてのことでした。

しかも、ご覧の通りのゴージャスな姿。

も〜、連れて帰りたいくらいかわいい!

以降、私が家の前を通るたび、長毛猫は昼寝中だろうがなんだろうが、飛び起きて駆けつけてくれるようになりました。

そしてシャーラを立ち去る日、私はホテルからスーツケースを引いて、バス停に向かっていました。

最後にもう一度あの長毛猫に会いたい…

するといつもの椅子の上で、お昼寝しているのを見つけました。

ところがこの日に限って長毛猫は、私に気付くことなく寝入っていました。

シャーラを立ち去る日、いつもの軒先の椅子に背を向けたまま寝入っている長毛猫

いつもなら飛び起きて駆け寄って来てくれるのに…

ちょっと期待外れな、寂しいお別れになってしまいました(涙)

私は長毛猫を起こさないよう通り過ぎると、心の中で語りかけました。

「バイバイ。また来るよ。それまで元気でね」


……そして2023年、シャーラを再び訪れた私は、真っ先に長毛猫を探しました。

しかし、あの椅子の上で優雅に昼寝する長毛猫の姿は、もうどこにも見られませんでした。

探し歩いているうちに、長毛猫の家がどこだったかも記憶が曖昧になってきてしまいました。

やはり5年の年月は、短くはなかったかな……

結局、長毛猫の消息はわかりませんでした。

今は同じ村の同じ通りで、かつてのシャーラにはいなかった猫たちが、それぞれ日々の暮らしを営んでいます。

のどかな村の小路を、今日も猫が横断する


マルタで猫と出逢うなら、都会より田舎がおすすめ

猫の楽園と言われるマルタですが、近年都市部では猫の数は減りつつあります。
(特定の猫スポットは除く)

都会では人が増え、観光客の数も爆上がりしているので、猫の居場所はどんどん追いやられているというのが現実かと思います。

が、シャーラのような地方では、まだまだ猫たちが楽園よろしくのんびりと暮らしています。

観光客や車が少ないのも、猫にとってはアドバンテージ。

猫との出逢いを求め、なおかつ空気のきれいな環境でリフレッシュしたいときは、一度シャーラの村を訪ねてみてください。

マルタに強いこだわりのある私が、特におすすめしたい場所の一つです。

シャーラ最後の日、村の数少ない飲食店でもある広場のカフェでコーヒーで一服していた
するとカフェの猫が、テーブルに上がってきた
(カフェの飼い猫かどうかは不明)
いつもは使用してない椅子の上で昼寝しているのに…
私のスーツケースの上に乗ったり、やりたい放題(汗)
こういうのを見て、またいつかシャーラを再訪したくなる(笑)


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