男の育児とは
法改正に伴い、男性育休も取得しやすくなり、仕事をしている父親が育児に関わるのも珍しいことではなくなってきた。
とはいっても、まだまだ育児は母親がするものというイメージが先行している。
特に、昭和時代を生きた高齢者にその傾向は強い。
それゆえ、子どもを2人連れて買い物などに行くと、『お父さん大変ねえ』などと声を掛けられることもあるが、正直腕力は一般の女性よりは兼ね備えているので、2人の子どもを同時に抱えるのもそれほど大変なことではない。
それでも世間の目は、母親に対しては『当たり前』で、父親に対しては『大変ねぇ』といつ言葉に変換される。
この『大変ねぇ』という言葉の裏には、母親が育児をしていないから父親がさせられている、という誤認識がその人の中にあるのではないかと思ってしまう。
こちらとしてはやらされている感は1mmもないため、その辺の温度差が違和感となって伝わってくるのである。
恐らく昭和人には『ここの家庭は母親が何もしないのね、かわいそうに』と写っているのであろう。
直接は言われたことはないが、そんな雰囲気がもの凄く伝わってくる。
1歳半、3歳などの検診は、全て父親である自分が同行して行った。
問診票を見ると、母親が書く前提の内容になっている。
父親なんて何も知らないだろうから、母親がちゃんと書いてくださいね。
と言いたげな内容だったりする。
それに対していちいち文句を言うわけでもないが、こういう所も『育児は母親がするもの』という価値観から抜け出せない理由の一つでもあろう。
そもそも、出産に関してみても母親に全責任がいくような世の中である。
子どもを授かったものの、父親に逃げられ、1人で育てる自信が無いと産まれたばかりの赤子を遺棄する事件が時々起こる。
その時に罪が問われるのは遺棄した母親だけである。
その前に逃亡した父親も同罪だと思う。
お腹の中で育てて、産み落としたというだけで母親に全責任がいく。
この思考回路から脱しないと根本的に何も変わらない。
種付けした父親にも同じレベルの責任はある。
というところまで踏み込むと、やはり根が深い問題だなぁと思うのである。
そんなことを考えながら、今日も子どもを保育園に預けて仕事をするのである。