"主演男優賞"編:第93回 米アカデミー賞 大予想!!
今月、4月26日(日本時間)に行われる米アカデミー賞。
それに先立ち、先月の3月15日(日本時間)に各部門のノミネーションが発表されました。
アメリカはもちろん世界中が注目する最高峰の映画の祭典。
その開催まであと約3週間。
今回はオスカー主要6部門の中の一つ、主演男優賞の予想をしたいと思います!
本命:チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)
大本命はゴールデングローブ賞を制したチャドウィック・ボーズマン
『マ・レイニーのブラックボトム』で、マ・レイニーのバックバンドのトランペット奏者 レヴィーを演じました。
とにかくよくしゃべり、感情の起伏が激しいレヴィー。
物語の初めから終わりまで一貫して、黒人差別をはじめとする自らの不遇を語り尽くす姿に心揺さぶられました。
ご存じの方も多いと思いますが、ボーズマン自身は昨年の8月にガンで亡くなってしまいました。
今作ほか『ザ・ファイブ・ブラッズ』(2020)での演技も印象的で、『ブラックパンサー』の続編などのこれからの活躍も本当に楽しみだっただけに、残念です。
その一方で受賞となれば、シドニー・ポワチエ、デンゼル・ワシントン、ジェイミー・フォックス、フォレスト・ウィテカーというレジェンド達と並び、史上5人目の黒人俳優での主演男優賞受賞となります。
獲ってくれ!
対抗:アンソニー・ホプキンス(『ファーザー』)
対抗は、日本未公開の『ファーザー』からアンソニー・ホプキンス。
認知症を患った老人を演じ、映画祭で初公開されて以降、絶賛の嵐を受け続けています。
主演男優賞を獲得した『羊たちの沈黙』(1991)、そしてその続編『ハンニバル』(2001)で映画界に確固たる地位を築いたホプキンス。
さらに昨年は『二人のローマ教皇』(2019)で助演男優賞にノミネートされ、衰え知らずの演技力が再認知されました。
そんな素晴らしき経歴を持つアンソニー・ホプキンスに対して、「ホプキンス史上最高の演技」と批評家たちが口を揃えて言うからには相当なものなのでしょう。
1度受賞していることで票が集まるかは微妙ですが、可能性は低くはないと思います。
5月の日本公開が待ちきれないっ!
単穴:スティーヴン・ユァン(『ミナリ』)
『ミナリ』で”厳格な父・夢追人な夫” ジェイコブを演じたスティーヴン・ユァン。
個人的な推しということもあって3番手にしました。
スティーヴン・ユァンといえば『ウォーキング・デッド』シリーズですよね。
あのドラマでは少し頼りない感じの役を演じていましたが、今回は厳格な「ザ・お父さん」みたいな役で、同一人物とは思えない演技の幅を感じました。
韓国系俳優が主演男優賞にノミネートされること自体、オスカーの多様性の広がりを感じますね。
受賞となれば、これまたオスカーの歴史が変わるでしょう。
穴:リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ-』)
『サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ-』のリズ・アーメッドの演技も忘れてはいけません。
聴力を失うことに恐怖し、しかしそれを受け入れてもいく、という非常に難しい役どころを演じました。
特に映画序盤の、声が全く聞こえていないながら会話をする場面は、本当に胸に刺さる演技でした。
調べたところ、本作がリズ・アーメッドの初主演映画とのこと。
これまでも『スター・ウォーズ』などにも出ていたらしいですが、今作を機により一層注目を集めるでしょう。
年が違えば、オスカーの可能性はもっと高かっただろうな…。
大穴:ゲイリー・オールドマン(『Mank/マンク』)
言わずと知れた大俳優 ゲイリー・オールドマン。
『市民ケーン』(1941)の脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツ、通称"マンク"を演じました。
超完璧主義監督で知られるデヴィッド・フィンチャーに付き合って、100回以上のテイクを重ねたといわれるオールドマン。
その甲斐もあって、傍若無人な天才脚本家"マンク"というキャラクターを見事に作り上げました。
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017)でウィンストン・チャーチルを演じ、2018年にすでに主演男優賞を獲得しているオールドマン。
最近獲得していることを考えると、票は集まらないでしょうね。
ただ、ノミネートされただけでも十分素晴らしい。
備考:前哨戦の結果(4/12 追記)
ゴールデングローブ賞を続き全米映画俳優組合賞も制したのはチャドウィック・ボーズマン。
英国アカデミー賞はイギリス出身のアンソニー・ホプキンス獲りましたが、これも予想通り。
オスカーは「ボーズマン 確実!」と断言して間違いないでしょう。
ちなみに、ゴールデングローブ賞ミュージック・コメディ部門を制したのは『続・ボラット』のサシャ・バロン・コーエン。同作での主演男優賞のノミネートはなかったですが、『シカゴ7裁判』で助演男優賞にノミネートされています。
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